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・・・・・・・戦争によって若者の生がひき裂かれていくこの時代に、自らの芸術を求めて激しく燃えた青年画家たちのこれらの文章を、現代史の中の貴重な記念碑として、世に出したいと『一九三〇年代−青春の画家たち』の企画は、スタートした。 各方面に依頼して資料を集めたところ、薗田猛の娘、道子さんが太平洋近代芸術研究会刊の『線』一号と二号を提供してくださった。 飯野農夫也氏は、一九三四年のプロレタリア美術家同盟解散後の、仲間からの手紙を沢山提供してくださった。組織解体後、散りぢりになった同盟員たちが、いかに創作活動に向かって行ったかがうかがわれる貴重な資料である。 これらの経緯によって編まれた本書は、太平洋近代芸術研究会発行の『線』一号、二号、赤重合の仲間の追悼誌『山内為男追悼誌』、『石田新一追悼誌』及びプロレタリア美術研究所第五期生の仲間達の関連の文章とから構成される。従ってこの本で取り上げる二十人の画家は、『線』 の同人にはじまる赤葺合の仲間たち十人、及びプロレタリア美術研究所第五期生とその仲間たち十人から成る。・・・・・・・戦後五十年、戦争を知らない世代が多くなる中で、平和憲法の影が薄れ、再び軍靴の音が響きつつある。こういう時代にこそ、戦時下を真筆に生きた画家たちの記録を、多くの人々に読んでいただくことを願ってやまない。(まえがきより) 目 次 まえがき |