自立の開拓者丸岡秀子 46判 上製 238P 本体1800円 |
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しかし、本書のなによりの魅力は、著者が丸岡秀子の人生を克明にたどり、深い愛情をもって丸岡秀子を読もうとしているところにある。なにか人をおどろかすような見方や結論があるわけではない。 なぜこれほどまで、著者は丸岡秀子をふかく読み込もうとするのであろうか。それは読者に丸岡秀子の生きた道を正確な事実によって復元し、それによって女性のあゆみを客観的に明らかにすることであった。そうなれば秀子の周辺にとどまらず、日本社会全体とのかかわりをとらえなければならず、「歴史のなかに生きた先人のなかの一人」として学ばなければならなくなってくる。そうしてみると、丸岡秀子は平塚らいてうや富本一枝らがめざした方向の延長線上に位置付けられてくる。卓見であり、それはみごとに成功していると私は思う。
目次 序にかえて 鈴木良 |