モーリス・パレス著
稲葉三千男(東久留米市長、東京大学名誉教授)訳 

国家主義とドレフュス事件

46判 420ぺ一ジ 2,500円  

われわれの知的状況を眺めると、もっとも変わりやすい外見はもとより、もっとも基本になる知識に関してさえ、秩序は根っからの反動派に握られ、したがってそこからは何の成果も生じない。いっぽう進歩は全くの無秩序で、したがって徹底して不毛でありつづける。その危機は深刻である。 オーギュスト・コント

目次
第1の書 国家主義とは運命決定論の是認である、という命題について
 1)私が本書を公刊する理由
 2)国家主義、それは運命決定論の是認である
 3)下界の片隅で
 4)真実とは何か?
 5)ふとった子牛は無用だ
 6)「民族」および「フランス国民」という言葉についての覚書

第2の書 ドレフュス事件
第1章 ドレフュス問題の位置
 7)メリーヌ内閣の責任(「反逆だ」と人びとは叫び、政府は眠ったまま)
 8)デルレードの公式
 9)アルフレッド・ドレフュスはシンボルである
 10)私はドレフュスというシンボルをフランスとの関係で判断する
 11)絶対的真実と司法的真実についての対話

第2章〈絶対〉にこだわる知識人、あるいは屈理屈屋
 12)ゾラ
 13)知識人とは何か?
 14)知識人の抗議
 15)わが哲学教師たち
 16)フランスとプロテスタントとの関係
 17)ユダヤ人とプロテスタントについての“抽象的な”考察

第3章 知識人への反論;相対化する感覚
 18)〈祖国フランス〉同盟
  a)その設立の当初から、それはどう理解されたか
  b)その旗あげ行事
  c)私たちが実現したかったこと
  d)私のいう協調の意味(カトリックであれ実証主義者であれ、愛国者も地方分権論者も、
  社会理論を待望するすべての人の連合)」
  e)〈祖国フランス〉に提案した理論
  f)〈祖国フランス〉の委員会委員長を私は1901年10月にやめた
 19)国家主義教育のための宣伝
  a)国家主義教育
b)〈アクション・フランセーズ〉の宣言
  c)さまざまな同盟の責務
  d)カルチェ・ラタンにおける国家主義の研究
  e)国家主義の実験室訪問
  f)〈兵士への呼びかけ〉の夕

第4章 レンヌにて
 20)ルビコン川が流れる町・レンヌヘの途上で
 21)ユダのパレード(1895年1月5日、士官学校で行われたドレフュスの軍籍剥奪式の思い出)
 22)キングたち、クイーンたち、ジャックたち
  a)ドレフュスの入場
  b)コンブール訪問(ドレフュスについての感想)
  c)ドレフュスの真剣な動き
  d)この審判の真の性格:陰鬱な悲しみ
  e)陸軍判士たち
  f)弁護士たち
  g)ラボリヘの暴行の真相
  h)弁護士たち(つづき)
  i)廃虚の風景
  j)ピカール
  k)ピカール主義
  l)証人たち(ベルチュリュス、フォルツィネッティ、コルディエら)
  m)無名の花々とレンヌの気候
  n)結論:「反ドレフュス派である私たちの歓呼」
 23)軍法会議の判決
  a)正義も国家も満足だ
  b)判決の周辺

第5章 デルレードの役割
 24)壇上のアナーキストたち(1898年12月10日)
 25)国民広場での行動(1899年2月23日)
 26)豚小屋を見る二つの視点
 27)デルレードの知恵
 28)ロシア同盟、アルザス・ロレーヌ、それと〈愛国者同盟〉についての覚書
 29)ストラスブール大通りの記念像のところでの1901年7月14日
 30)ルナンの言葉

解説(400字×100枚)――稲葉三千男

立読みのコーナー(1/28)

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