武田共治(弘前大学農学生命科学部)著(1950年生れ、東北大学教育学部大学院卒)

日本農本主義の構造

46判上製 508頁 4500円 

本の注文,質問

老農農本主義、官僚農本主義、教学農本主義、社会運動農本主義、アカデミズム農本主義の比較検討を通して

 本書より 本論文の問題意識に基づき,まず第一編「日本農本主義研究の課題」では、農本主義に関する先行研究を整理・検討し、本論文の課題を明確化する。そこで,第一章「農本主義研究の文献とその検討視点」において、文献整理を行う。その上で、いくつかの農本主義研究を取り上げ、そこにおける学的成果を検討する。検討視点としては、1 農本主義に対する関心、2 農本主義の基本的性格と本質的役割の理解、3 農本主義の歴史的展開の理解、の三点を重視する。こうして,第二章「農本主義に対する関心をめぐって」、第三章「農本主義の本質と役割の理解をめぐって」、第四章「農本主義の歴史的展開の理解をめぐって」という構成となる。第二編「日本農本主義の歴史的展開」においては、第一に、主要な農本主義者たちを、1教学者、2老農、3官僚,4学者、5社会運動家に分類し、時代区分を行い、各時代の状況と関わりで彼等の主張を検討し、それらの関連を追究することで、農本主義の歴史的展開の特徴を捉える。こうして、第一章「徳川封建制動揺・解体期の農本主義」、第二章「原始蓄積期における農本主義」、第三章「産業資本確立期における農本主義」、第四章「独占資本主義期における農本主義」、第五章「国家独占資本主義期における農本主義」という構成となる。第三編「日本農本主義の比較分析」においては、第一に、主要な農本主義者たちの主張の
特徴と思想的・階級的性格について検討する。第二に、農本主義・農村社会学とマルクス主義の相互批判を検
討する。こうして、第一章「農本主義の特徴と性格」第二章「農本主義批判と反批判」となる。以上の検討を
踏まえ、結論「日本農本主義の全体構造」を述べることにする。

序論 問題意識と論文の構成
第一編 日本農本主義研究の課題
 第一章 農本主義研究の文献とその検討視点
  1 農本主義研究の文献
  2 農本主義研究文献の検討視点
 第二章 農本主義に対する関心をめぐって
 第三章 農本主義の本質と役割の理解をめぐって
 第四章 農本主義の歴史的展開の理解をめぐって
第二編 日本農本主義の歴史的展開
 第一章 徳川封建制動揺・解体期の農本主義
  1 封建権力と教学農本主義
  2 農本主義の源流――老農農本主義の形成
 第二葦 原始蓄積艶おける農本主義
  1 開明派官僚と敏農政策――老農農本主義の官製化
  2 保守官僚農本主義の成立
  3 老農農本主義の地域的実践――石川理紀之助の農民組織化
  4 教学農本主義と経済活動――荘内教学の展開
 第三章 産業資本確立期における農本主義
  1 官僚農本主義の展開
  2 石川理紀之助と地主農本主義――適産調を中心に
  3 官学アカデミズムと農への注目
  4 山崎延吉と社会運動農本主義――農村自治運動
 第四章 独占資本主義期における農本主義
  1 革新官僚農本主義と小作立法――石黒忠篤の小作立法案を中心に
  2 アカデミズムと農本主義
  3 横田英夫と社会運動農本主義――小作農本主義
 第五章 国家独占資本主義期における農本主義
  1 農村疲弊と社会運動農本主義
  2 農村疲弊と官僚農本主義
  3 農村疲弊と教学農本主義
  4 農村疲弊とアカデミズム農本主義
  5 農村疲弊と農本主義運動――山形県荘内地方を事例として
第三編 日本農本主義の比較分析
 第一章 農本主義の特徴と性格
  1 農本主義の特徴
  2 農本主義の性格
 第二章 農本主義批判と反批判
  1 マルクス主義の農本主義批判、農村社会学批判
  2 農本主義、農村社会学におけるマルクス主義批判

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