秋葉英則・宍戸武夫・田中昌人・広木克行・清水寛

斎藤公子保育実践全集3
保育とはなにか――対談


A5判 上製 232P 本体2400円 

 『斎藤公子保育実践全集』第三巻は、斎藤先生と研究者との対談を中心にして編集されております。さくら・さくらんぼの保育をつくりあげてくるなかで、斎藤先生は各分野の多くの研究者の方々からさまざまなことを学んでこられました。第三巻は、そのなかから、教育学・保育の分野の研究者の御協力で、このようなかたちで出版できたわけです。実践家と研究者の交流がもっと深まり、理論が実践を豊かにしていく、そして実践が理論を深めていく、そのようなかたちで実践と理論がともに発展していく一つのきっかけになることを期待しております。

目次

第一部 保育実践に人間讃歌を!
I 強烈,その印象  (秋葉 英則)――保育,教育実践に科学,芸術の統一を――
II さくら・さくらんぼ保育園の実践  (宍戸 健夫)

第二部 六歳の発達と保育  (田中 昌人・斎藤 公子)
I 〇―一歳の発達と保育
産休あけ保育 おかあさんへの援助 ひととして育てる努力 四ヵ月の赤ちゃん 保育条件をととのえる 地域の相談機関として 栄養は手からも 自発性への援助 三人の関係をつくる はいはいの大切さ 八ヵ月不安 一〇ヵ月の赤ちゃん 高さ,深さ,感覚の豊かさへ 行政も歩けた 風も食べる だだこね,かみつき
II 二―四歳の発達と保育
第一反抗期 研保育環境と絵の表現 斜めの姿勢で境界を越える自我 感受性の高まり 二次元の形成 自我を呼び醒ます いろんな自分がわかる ボクとワタシ 二歳児の日課 三歳児,四歳児 リズム遊び リズム遊びの系統性 三歳児,四歳児の日課のはじまり しばられない行事のとらえかたを 外遊びのできる環境を
III 五―六歳の発達と保育
一〇〇人のアリサおめでとう 教育的な仕掛け 新しい力が生きる装飾 六歳の刻印 仲間をおさめる 新しい力ヘの期待 保育者から学んで教える 年長の後期が大切 保育者への期待 子どもに贈る これからしたいこと 

第三部 全面発達をめざす保育実践
I 全面発達をめざす保育実践  (広木 克行・斎藤 公子)
子どもの自然 幼児期につくられる感性 差別を許さない思想 幼児期の言葉文化の体験 欲求を育てることの意味 どの子どもも愛する 子どもは物語からも学ぶ 子どもの生きるリズム 子どもの安全への配慮 幼児期の知的発達の意味 新しいパブリック 
 全面発達の保育実践――その思想と構造  (広木 克行)
はじめに 子どもへの深い愛情と信頼 木が泣いているよ 子どもと一緒に遊びなさい 子どもが泣いてもやらなければならないこと 手塩にかけて育てるということ 保育専門家としての自己の成長へのあくなき追究 全面発達をめざす保育 ベトナムの子どもたち クルプスカヤの思想と斎藤公子の実践 運動,感覚器官の発達 発達を保証する環境とは何か 子どもの発達と遊具 子どもの発達と人的環境 子どもの全面発達と遊びと労働 外に働きかけ,外界を認識する 実用的知脳と論理的知脳 運動感覚器官の発達 集団的意識の発達 目的に向かう不屈の意志を育てる 労働の意義 遊びと発達についてのヴィゴツキーの見解 子どもの知的発達 自主性と創造性 知的発達と文字指導の問題 知的発達と描画・身体表現 言葉の表現と人格的発達 言葉の貧困とイメージの貧困 言葉を豊かに,イメージを豊かに 自己統制力の発達 社会的能力の発達 競争原理は社会的本能をつぶす 一番好きなのはダイちゃん 「新しい公」をつくり出す保育運動

第四部 創造の保育の源流をさぐる
  (清水寛・斎藤公子)
一 愛と知はうけつがれるもの
二 日本の幼児教育の父――倉橋惣三に学んで
三 民衆の中に生きる保育者――平田のぶとの出会い
四 小林宗作とリズム遊び
五 “創造の保育の人”――斎藤公子からどう学ぶか
六 わが命をはぐくんだ父母
七 たちきられた歴史のはざまで――仙台とのかかわり

本巻あとがき

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