生きること学ぶこと |
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本書「はしがき」より 本書は筆者が大学で担当している授業の中で行われたゲスト講話を中心に編んだものである。「障害児教概論」という名称の、主として障害児教育講座に所属する二年生たちを対象とする講義形式の授業である。年、30回近い授業のうち、毎年度、数人の方々をゲストとしてお招きして、特別講話をお願いしてきた。過去20年余の間に、延べ40人近くの方々が、その時々に、その方ならではのかけがえもなく貴い話を、心をこめてして下さった。あくまでも、私の授業の一環として行ってきたものであるが、ゲスト講話の日の授業では、誰れよりもまず私自身が受講生の一人となって一所懸命に聴かせていただいた。障害児教育に何らかの関心を抱いていたり、将来、障害児教育や社会福祉などの分野の仕事に就くかも知れない学生たちに、講義の展開において、そのような課題・ことがらについて是非とりあげたいし、話す必要もあるのだが、私がそうすることは出来にくかったり、不適切であると判断するときに、ゲスト講話を実施したのである。だから、依頼したテーマ・内容は、まず私自身が一番聴きたいことであり、講師もそのことを語っていただくために最適と私が思う方にお願いしたのである。 目 次 第1部 学びの季節の春・夏・秋・冬(清水 寛) 第2部 ゲスト講話集 1 再び大学に学んで I はじめの一歩――障害をもつ子の母として(甲村俊子) II 光をもとめ(吉川かおる) III 女教師として、母親として生きていくなかで(栗原加奈子) IV ■啄同時――Sさんへの返事(添島康夫) V 障害児教育とわたし(細野浩一) VI 高齢障害者のリハビリテーションに携わって(増永哲士) VII 若い仲間のみなさんへ――心に核をもち続けて(望月恒夫) 2 人間の尊厳と自由を求めて I 多くの人に支えられて――ハンセン病患者として生きた半生(冬 敏之) II アイヌ――その現在と未来(北原きよ子) III あたり前に生きるということ(工藤伸−) 3 障害もつわが子と歩んできた道 I 娘・麻衣子との二十年(野辺明子) II ああ“いのち”――牛小屋カレンダー子育て日記(松崎幸成) III 一歩また一歩――重複障害の娘と(小堺キミ子) 4 障害をもつ子たちの教師として生きて I オアシスを求めて(新井竹子) II 昭和を生きる――障害児教育に魅せられて(大野英子) III もうひとつのいのち (谷口順子) IV 私の生きること、私の学ぶこと(篠崎恵昭) V 音楽教育をさがしつづけて(松樹偕子) 5 平和のうちに生きる権利こそ I 桃の咲く島に生まれて(垣花千恵子) II 沢内村の保健婦(高橋知子) III 戦争の中の青春――ある戦中派の心の軌跡(清水清治) IV あらぐさの半生(談)(清水清治) V じゃがいもの半生(清水好子) |