大石雄爾(駒沢大学)著
マルクスの生産価格論

A5判 上製 271P 本体2900円 

目次
まえがき

序章 本書の課題
 1 ボルトケヴィッチ=スウィージーの問題提起
 (1)スウィージーの問題提起
 (2)ボルトケヴィッチによるマルクス批判の性格
 2 ボルトケヴィッチの転化論をめぐって
 (1)いわゆる「総計一致の2命題」不成立の意味すること
 (2)見田石介氏によるボルトケヴィッチ批判
 3 本書の課題

第1章 現実の社会と生産価格
 1 19世紀までの現実と生産価格
 (1)古典派の経済学者たちによる生産価格の発見
 (2)マルクスと生産価格概念の確立
 2 20世紀の社会と生産価格の実在性
 (1)競争諸条件の変化と利潤率の均等化傾向
 (2)「フルコスト原理」と生産価格
 3 生産価格概念の抽象

第2章 マルクスによる生産価格の概念規定
 1 『資本論』第3巻第9章の課題
 2 平均利潤率および生産価格の概念規定
 (1)第9章における表題の内容からの微妙な乖離
 (2)マルクスによる生産価格の概念規定
 (3)「総計一致の2命題」とその周辺
 (4)「社会的総資本および総生産物」を分析対象とする場合

第3章 競争による価値の生産価格への転化――マルクスの説明――
 1 『資本論』第3巻第10章の課題
 2 競争による平均利潤率および生産価格の形成
 (1)需要供給関係と資本主義的生産
 (2)部門間競争による価値の生産価格への転化
 3 生産価格概念の意義
 (1)生産価格の表現する社会関係
 (2)生産価格概念の理論的性格
 (3)市場価値と生産価格との統一

第4章 競争による価値の生産価格への転化
 ――「マルクスの基本論理」の展開――
 1 分析の対象と諸前提
 (1)本章の課題と分析の対象
 (2)理論展開のための諸前提
 (3)単純再生産の想定
 2 生産価格方程式と生産価格表式
 (1)価値表示の再生産表式と部門間競争
 (2)生産価格方程式と生産価格表式
 1)生産価格方程式とその解法
  2)生産価格表示の価値表式――生産過程の分析
  3)生産価格表式
 3 生産価格の記号例とその解法
 (1)生産価格方程式
 (2)生産価格方程式の解法
 (3)生産価格表式の記号例と数値例

第5章 「価値の生産価格への転化」の図形による説明
 1 生産価格体系の図形表示
 (1)価値体系から生産価格体系への転化
 (2)「赤い矢印」の意味
 2 部門間競争の過程――「利潤率均等化軌道」
 (1)「利潤率均等化軌道」の方程式とその解法
 (2)「利潤率均等化軌道」の図形表示
 3 マルクスの数値例と逆計算
 (1)生産価格から価値への逆計算
 (2)マルクスの数値例の性格
 (3)マルクスの5部門分割と転化計算

第6章 生産価格と貨幣の価値尺度機能
 1 問題の所在
 2 貨幣の本質と価値尺度機能
 (1)貨幣の本質
 (2)貨幣の価値尺度機能
 (3)価格の度量単位・度量標準機能
 3 生産価格と貨幣の価値尺度機能
 (1)ボルトケヴィッチと「価値の価格への転化」
 (2)生産価格の労働量・貨幣量表示
 (3)生産価格と貨幣の価値尺度機能

終章 労働価値論の発展のために
 1 本書で明らかにされたこと
 (1)「転化過程」の展開と総計一致の2命題の論証
 (2)生産価格と価格の度量標準
 2 労働価値論の発展のために
 (1)生産価格論の残された課題
 (2)生産価格論と労働価値論の発展

《補論1》ボルトケヴィッチの生産価格論
 はじめに
 1 ボルトケヴィッチ生産価格論の課題
 2 ボルトケヴィッチ生産価格論の構造
 3 「転化過程」の記号例による展開
 (1)生産価格方程式の解法
 (2)金生産部門の想定について
 4 価値と生産価格の数字例による説明
 むすび

《補論2》ウィンターニッツの不生産価格論
 はじめに
 1 ウィンターニッツによる諸前提の吟味
 2 ウィンターニッツの表式の性格
 (1)価値表式
 (2)「不生産価格」表式
 (3)価値の生産価格からの偏差
 むすび

《補論3》宇野派の生産価格論――伊藤誠氏の場合
 はじめに
 1 生産価格論の位置づけ
 2 伊藤氏による転形問題の整理
 3 伊藤氏の生産価格の数値例

むすび
あとがき

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