池田昌昭

唯物論と観念論


46判上製 380P 本体2500円 

 最近、唯物論哲学の 「再生」や、「其の」唯物論哲学の 「探究」の名のもとに特にレーニン哲学批判の形態をとって唯物論そのものを危うくする 「改作」論調が盛んになって来ている。本書では最近のこのような傾向の源流が一体どこにあり、それが・ほんとうに唯物論の創造的発展に資しているのかどうかを洞察し、具体的に検証をすすめてみたい。
 まえがき

第一章 唯物論の「改作」

一 唯物論にたいする「改作」の特徴と共通点
 二 人間の愛のこころ
 三 精神世界と物質世界のこと
 四 存在論者にょる弁証法の否定
 五 レーニンによるマルクス思想の深化
 六 唯物論と史的唯物論
 七 物自体と現象
 八 島崎隆氏にょるレーニン「誤読」
 九 中野徹三氏の「改作」

第二章 マッハ流の「解釈」

 一 一元論と二元論 − 瀬戸明氏の場合
 二 「主客相関」関係
 三 「存在即知覚論」の誤り
 四 「反映否定」論者 − 河村望氏の場合
 五 「反映折衷」論者 − 尾関周二氏の場合
 六 「当事者意識」論者 − 石井伸男氏の場合
 七 「自己関係知」論者−−渡辺意正氏の場合
 八 「言語的意識」論者−−−河野勝彦氏の場合
 九 ハイゼンベルクの「不確定性原理」
 十 ハイゼンベルクの哲学
 十一 物質と「不確定性原理」

第三章 史的唯物論の「改作」
 一 いわゆる「ソ連型マルクス主義」
 二 搾取理論と土台・上部構造理論の悪しき「解釈」
 三 「疎外−物象化」論の陥穿
 四 疎外理論の倒錯利用

第四章 弁証法的唯物論の「改作」 
 一 誤った反映論理解
 二 主体的「投げいれ」論に見られる反映否定論の原点
 三 客観と主観
 四 反映論理解で犯してほならない誤り
 五 バークレー著『人知原理論』の検証

第五章 エルンスト・カッシーラの関数概念
 一 エルンストマッハとエルンストカッシーラ
 二 運動の「概念」
 三 「思考実験」
 四 カッシーラのエネルギー一元論
 五 化学の分野でも観念論的解釈
 六 カッシーラの不可知論

第六章 唯物論と不可知論
 一 カントの認識論
 二 カントの逆転思想
 三 存在と思考との関係
 四 ジョンサール著『心・脳・科学』について
 五 エーデルマンの「原意識」理論誠
 六 ふたたび物質と意識甜
第七草 唯物論と認知科学独
 一 ドゥメイの認知科学の誤り
 二 ドゥメイの実証主義と科学主義
 三 マッハの認識誤謬
 四 唯物論と観念論における認識論の違い
 五 身体と精神との発達
 六 マッハの「期待の制限」
 七 マッハにおける外的事物世界と観念
 入 マッハの「感覚」の「誤謬」
第八草 反映論について
 一 反映論の原点に還りて
 二 脳のはたらきから反映論を再度考えてみる
 三 意識について
 四 意識の弁証法的統一過程

参考文献

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