経 筋 療 法 B5判上製160頁 3500円 発売中 |
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著者が無床診療所に整形外科医として勤務して最も困ったことは慢性の運動器の疼痛,すなわち腰痛,肩こり,関節痛の患者が多く,少しも治ってくれないことであった.そのうちになぜか患者が増え始め,馴れぬ管理業務と過労で持病の腰痛も悪化しほとんど燃え尽きる寸前であった.このままでは倒れてしまう,なんとか腰痛だけでもなおしたいと思うにまかせぬ身体を持て余していた.たまたま拾い読みしていた『医道の日本』誌に仙台の橋本敬三先生が行っている現在の「操体法」を「経筋療法」(間中善雄)として紹介していた.直感的にここに真実を感じた.・・・・・・経筋療法は各種の整体術に比べきわめて安全で,器材を必要としない手技療法であり,術者も指の末端に対する圧迫だけなので身体的負担が少ない,手技が容易であるなどの利点が多い治療法であると信じている.現在日本人の愁訴の中で最も多いのは腰痛,肩こり,手足の関節の痛みである.すなわち運動器の症状が上位を占めている.高齢化社会の影響もあり骨関節の退行性変化に原因を求める主張が一般には理解されやすい.しかし一部の器質的疾患を除いて,画像診断上に変化がみられる例の多くが治療によく反応すること,全身性であることなどからから実践的に同意しがたい.なによりも患者へ諦めを強制し,もっとも大切な闘病意欲を失わせるため害悪であるといいたい.このような著者の初歩的な理解における治療法でも症状を改善せしめることが可能なのである.機能的レベルでの障害を,すなわち初期の筋の攣縮(経筋の症状)の状態を改善することにより器質的障害を予防すべきであると橋本先生は強調しておられた.著者も先人の貴重な経験を今後も実践していきたいと願うものである.第一線の運動器の訴えに対応する医師,理学療法士,針灸師,マッサ−ジ師に簡単に利用できる方法であるため,浅学非才もかえりみず出版に踏み切った次第である. 諸氏のご批判をお願いしたい.(「はじめに」より) |
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目 次 はじめに 第1章 経筋の概念と特徴 1 経筋の概念 2 経筋の特徴 第2章 経筋の走行 1 足の太陽経筋 2 足の少陽経筋 3 足の陽明経筋 4 足の太陰経筋 5 足の少陰経筋 6 足の厥陰経筋 7 手の太陽経筋 8 手の少陽経筋 9 手の陽明経筋 10 手の太陰経筋 11 手の厥陰経筋 12 手の少陰経筋 第3章 経筋の症状 1 足の太陽経筋 2 足の少陽経筋 3 足の陽明経筋 4 足の太陰経筋 5 足の少陰経筋 6 足の厥陰経筋 7 手の太陽経筋 8 手の少陽経筋 9 手の陽明経筋 10 手の太陰経筋 11 手の厥陰経筋 12 手の少陰経筋 第4章 経穴と筋 1 膀胱経 2 胆 経 3 胃 経 4 脾 経 5 腎 経 6 肝 経 7 小腸経 8 三焦経 9 大腸経 10 肺 経 11 心包経 12 心 経 第5章 経脉と筋 1 足の経脉 . 2 手の経脉 第6章 経筋と関節運動 1 膀胱経 2 胆 経 3 胃 経 4 脾 経 5 腎 経 6 肝 経 7 小腸経 8 三焦経 9 大腸経 10 肺 経 11 心包経 12 心 経 13 経筋と頸椎運動 14 PNFにおける最適パタ−ンとの関係 15 経筋と髄節性神経支配 第7章 経筋の診断 1 自覚症状 2 視 診 3 触 診 4 動 診 5 部位別テスト 第8章 治 療 1 鍼治療 2 按摩,マッサージほか 3 外用療法ほか 4 テ−ピング 5 運動療法 6 経筋体操 索引 参考: 富田満夫著『中高年女性におくる Q&A 腰痛の治し方』150頁 A5判並製 本体1600円 |