社会教育・生涯学習の領域でも自由主義的改革が『野蛮に』進められつつあります。本書では,これを理論的に批判しつつ,しかし,国家的公共性にもとづき行政が一方的に学習機会を提供するということではない,新しい市民的公共性にもとづく社会教育の実践と理論の展開をめざしています。
序 社会教育実践の現代的課題
1 地域課題への三つの対応
2 民主主義をつくる市民参加とは
3 地域の力を高めること
4 社会教育実践におけるパワー
5 学びをつくるコラボレーション
第一部 市場型学習社会論を越えて
I 社会教育行政の変容の意味
1 社会教育における中央―地方政府関係
2 社会教育行政の変容の実態
3 自治体NPO支援政策と市民参加
4 社会教育行政における市民参加の課題
II 社会教育の政治経済学
1 社会教育における受益者負担論
2 教育の市場化の限界
3 社会教育における公共性
II 学びの共同性と公共性
1 生涯学習政策と公共性の転換
2 学びの個別化と受益者負担
3 社会教育における共同性と公共性
III 社会教育の政治社会学―― 国家・市場・市民参加
1 社会的権利と国家・市場
2 社会教育と民主的シティズンシップ
V 自由主義的改革・NPOと生涯学習
1 社会秩序政策としてのNPO
2 NPOの位置と正確
3 NPOの多様性と可能性
VI 新しい「地域の教育力」としての市民活動
1 寅さんの「地域の教育力」論
2 生涯学習政策の陥穽
3 市民活動と学びのネットワーク
4 新しい「地域の教育力」
第二部 大学と地域とのコラボレーション
VII 福祉国家の変容と継続高等教育
1 戦後の高等教育政策と継続高等教育
2 福祉国家の危機と継続高等教育
3 介入戦略としての継続高等教育
VIII 新しい学びの空間をつくる ―― 「エスプ・カレッジ」の挑戦
1 東北自由大学との出会い
2 市民活動の拠点としての「ふれあいエスプ塩竈」
3 「エスプ・カレッジ」の実践
4 「エスプ・カレッジ」の課題
IX 地域づくりと社会教育実践
1 課題の設定
2 地域づくりの現代的課題と社会教育
3 地域をつくる学び ――
「塩竈まちづくり研究所」の実践
4 まちの総合的デザインと主体
おわりに―地域づくりと社会教育
X 社会的排除の構造と社会教育実践
1 課題の設定
2 地域労働市場の特質
3 日系ブラジル人労働者の雇用
―― 水産加工業K事業所を事例に ――
4 社会的包摂としての社会教育実践
4 社会教育実践とエンパワーメント
XI 地域と歩む東北自由大学
1 東北自由大学とは何か
2 新しい大学像 ―― よりアクティブに,より柔軟に
3 塩竈市における「大学」の実践から
4 東北自由大学の位置
―― 地域社会・大学・市民との関係のなかで
五 「知のモード」転換と「大学」
XII 高等教育改革と新しい大学象
―― 国際的水準での議論を求めて ――
1 高等教育改革の社会的基盤
2 生涯学習パラダイムへの転換
3 「21世紀の大學像」:その国際的動向
4 ユネスコ国際会議の到達点
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