2003年3月20日,アメリカとイギリスはイラク攻撃を開始し,日本政府はこれを支持した。イラクはいま,クラスター爆弾などで大々的に破壊され,多くの死傷者が生み出され,水も病院も不足した悲惨な状況にある。この戦争に反対した詩人たちは,国際的なネットワークで行動した。2月に,アメリカのサム・ハミル氏が「戦争に反対する詩人たち」というホームページを立ち上げ,リーザ・ローウィッツ氏により木島始氏にメールで伝えられた。そこから日本の詩人たちへの呼びかけが始められ,短期間に300人近くの詩人たちの詩が集まった。4月中旬に日本政府へ届けられ,一部英訳された詩は,ブッシュ,ブレアに,他言語訳は国連,ユネスコに送られた。これらの詩をまとめた,画期的な反戦詩集!
抹殺
両親がいて
わたしは生まれた
それは祖父母がいてのこと
さらには曾祖父母がいてのこと
そうやって十代さかのぼると
両親を始めとする先祖の総計は
一〇二四人となる
この中の一人が欠けても
今のわたしはいなかった
戦争は
「この中の一人」を殺す
いや一人だけではない
未来の数え切れないいのちを
抹殺する
(川崎 洋)
<呼びかけ人>80名
井奥行彦、神田さよ,小笠原茂介,柳生じゅん子,木村ユウ,こたきこなみ,李承淳,小野恵美子,斉藤明典,小森香子,庭野冨吉,篁久美子,横田英子,田村さと子,森野満之,荒野きり,鈴木比佐雄,泉渓子,比暮寥,天野行雄, 原子修,野田寿子,橋浦洋志,祖父江拓史,高橋和行,神尾達夫,草倉哲夫,安水稔和,瀬谷耕作,葛西洌,川端進,久保田穣,上野都,くにさだきみ,杉山滿夫,小川アンナ,三田洋,内山加代,藤森里美,篠田味喜夫,たなはしみなこ,葵生川玲,近藤めいり,神田千佳,田中郁子,森みどり,原圭治,坂田トヨ子,若松丈太郎,内海康也,河井澪,水尾佳樹,筧槇ニ,小松弘愛,江口節,永井ますみ,池谷秋雄,おだ・じろう,斉田朋雄,萩ルイ子,滝百合子,坂本つや子, 堀場清子,松尾静明,井之川巨,黒羽英二,赤山勇,望月苑巳,直原弘道,趙南哲,いだ・むつつぎ,しま・ようこ,中正敏,滝いく子,柴田三吉,羽生槙子,石川逸子,木島始,甲田四郎,佐川亜紀
参考:戦争に反対する詩のページ Kjm(木島 始)の部屋 本の注文,質問
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