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前島 康男 (東京電機大学)編著

 希望としての不登校・登校拒否
――本人・親の体験,教師の教育実践に学ぶ――

A5判並製 288頁 本体 2000円

発売中

 

 1975年以降小・中学生の不登校・登校拒否は増え続け,現在13万人以上存在すると言われています。そして,この不登校・登校拒否をめぐる問題も広がり,国連こどもの権利委員会も日本のこどもの不登校の数が「極めて膨大である」と警告を行うほどになっています。そして,問題は不登校・登校拒否に伴う神経症や家庭内暴力など,さらに,不登校・登校拒否から引き続きひきこもる青年の増大などの問題ヘと拡大してきました。
 この不登校・登校拒否をどのような問題としてとらえたら良いでしょうか。それ自体が大きな理論的課題ですが,本書の基本的な役割は,その課題に迫る一つの道筋として不登校・登校拒否の経験に学ぶことです。
 本書は,1 不登校・登校拒否経験者本人の体験記,2 親の体験記,そして 3 教師の教育実践から成り立っています。それは,本人と親の体験,そして教師の教育実践の記録を積み重ね,総合的に読み込み,分析する中で,登校拒否の背景・原因やもたらす問題,そして克服する道筋が明らかになると考えるからです。(「はじめに」より)

はじめに     前島康男(東京電機大学)
第1章 本人の体験
  (1)私の「不登校」と「不登校卒業」
     山根道子(山口県立萩養護学校) 
  (2) 元気になるまでの道のり
     倉光牧子(埼玉県東野高校)
  (3)ぼくの登校拒否体験
     前島 恵(埼玉県自由の森学園高1年生)

第2章 親(親の会)の体験
  (1)我が子が不登校(登校拒否)になってから
     石井嘉寿絵(熊本県熊本市)
  (2)息子の不登校に育てられて
     小山裕子(東京都東久留米市)
  (3)子ども達の登校拒否を経験して
     番場典子(東京都小平市)
  (4)不登校になって,音楽の道を見つけた息子
     谷口民子(埼玉県鴻巣市)
  (5)娘たちの心の傷を通して見える学校と社会
     坂田和江(熊本県菊池郡合志町)
  (6)不登校から学んできたこと
     (共感するという魔法)
     草刈智のぶ(東京都東久留米市)
  (7)わが子の不登校に付き合って学んだこと
     菅原幸一(埼玉県狭山市)
  (8)我が子の不登校と取り組んで
     馬場文代(兵庫県神戸市)
  (9)不安を安心に
     松岡克彦・光子(奈良県奈良市)
  (10)わが子の不登校につきあって 
     中村篤子(奈良県奈良市)

第3章 教師の教育実践
  (1)マキから学んだこと
     阿部美代子(大阪府豊能郡豊能町立能勢小学校)
  (2)学校現場から見る不登校
     金子和夫(埼玉県川口市立戸塚東小学校)
  (3)親たちと共につくる”学びの場”
     ――お母さんたちから元気をもらって――
     梅村和子(岐阜県岐阜市)
  (4)埼玉の登校拒否・不登校10年に寄せて  
     加藤浩一(埼玉県三郷市)
  
 おわりにー本人・親の体験,教師の教育実践から学
      んだこと        前島 康男 

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