『野豚ものがたり』は昭和16年に中村書店から刊行されたシートン動物記をベースにした絵物語である。原本はクロス張表紙、函入り、四色頁もある豪華本で定価一円、当時としては大変贅沢なつくり,前年に刊行された『愉快な小熊』が文部省推薦図書に選ばれたことも影響しているだろう。テレビもゲームも無い時代,子供たちはラジオや紙芝居,漫画,絵物語,本などから,さまざまなことを想像したり,考えたりしたのだろう。
『野豚ものがたり』は人間に飼われた豚と人間の子どもとの愛情あふれる交流が描かれている。
野生動物と人間の共存の難しさは,現在も変わらない課題。現代の子どもたちにもぜひ読んでほしい作品である。
保育園の子どもたちは、紙芝居が大好きだ。だけど、自分で紙芝居を読んだり、本を読んだりするところまではなかなかいかない。
その間をうめるものとして、絵物語、名作童話の復刻漫画は価値があるものと思います。
立ち読みのページ 野豚ものがたり(09/12/11更新)
目 次
野豚の一家
夜明け
農場の子
羊の子 鴨の子
或ある日の事
なかば大きくなった野豚っ子
森の秋
森のお薬
なかま
闘う野豚
りっぱなお父さんになった豚っ子
野豚のらんぼう