序章 現代の市民的自立と教育
1 二OOO年代という歴史的磁場にたつ教育
2 教育基本法「改正」の経緯が物語ること
3 「改正」のねらいと課題
4 公教育がめざす人間的自立
第I章 教育の基本−人間的自立−
1 教育学の思想として
2 自立と弁証法
3 共同と自立の弁証法
第II章 人格的自立論
1 わが国における展開
2 自立と自律
3 現代社会における自立
4 過労死・過労自殺に関する考察
(1) 定義と問題設定(2) 過労死・過労自殺と労働関係
(3) 労働者の保護と労働法のありかた
5 自立と民主主義
第III章 子ども発達論
1 少年期・思春期における自立
2 二者関係と子どもの人格的自立
3 発達支援の意義と役割
第IV章 学校教育構造論
1 学校教育における学習指導と生活指導
2 教育の構造把握をめぐる宮坂−小川論争の意義
3 授業における訓育の理論的検討−春田−吉本論争の構図−
4 授業における陶冶と訓育の結合−−吉本説の吟味
5 授業における訓育の検討
第V章 学級の子ども集団と学習指導
1 学習主体論
(1) 学習主体としての子ども
(2) 学習の共同性とは何か
2 学習に取り組む子ども集団
(1) 学習に取り組む子ども集団の意義
(2) 学習方法の指導と対話・指導言
3 学習に取り組む子ども集団の指導構想
(1)「初期」の指導とその観点
(2)授業における班・グループの問題
(3)「展開期」の指導とその実践課題
(4) 教科の学習方法と総合的学力
第VI章 現代の生活指導
1 はじめに〜生活指導研究の課題
2 生活指導とは何か
(1)子どもの生きづらさと自立の課題
(2)関係性から見る生活指導
3 市民的自立と生活指導の教育内容
4 参加・共同・自治
5 教師の指導的役割
6 地域生活指導の可能性
第VII章 発達支援基礎論
1 生きづらさと暴力−子どもが他者と世界にひらかれるとき−
(1)「荒れ」の実態〜「投げ込まれ反応・不安くずし」
(2) 関係性の構築が教師をエンパワーするとき
2 いじめ問題
(1)いじめ概念の再検討 、(2) 最近のいじめ問題
(3) いじめ・いじめられ関係は自立の課題を映し出す
(4) いじめの予防と課題
3 「ホームレス襲撃事件」〜生きづらさと暴力を考える〜
(1) はじめに (2) この事件をどう見るか
(3) 地元の教育界はどう動いたか
(4) なぜ、ホームレス問題の授業化に取り組むのか
(5) ホームレスという現実をどう見るか
(6) 生きづらさと暴力
第VIII章 他者と関係性能力
1 道徳教育の関係性論的考察
(1)道徳とは何か(2)市場個人主義時代の道徳教育の要点
(3)対話の有効性 (4) 〈関係性能力〉が鍵を握る
2 他者・対話・公共性の集団づくり 〜新たな集団像の探究〜
(1) 他者論と集団づくり(2) 対話のちから
(3) 市民的公共性のちから 〜いま、めざす当面の集団像〜
3 集団の組織化と関係性と市民的自立
(1) 実践報告をめぐる分科会討議
(2) 実践と報告とケアリング
(3) 組織化のプロセスと関係性・市民性の発達
第IX章 教育の公共性と教育実践
1 教育における市民的公共性
(1) 市民社会と「公共」概念 (2) 市民的公共性
(3) 「公共」における市場主義・
競争主義と市民的自立のせめぎ合い
(4) 子どもの生活における暴力性と公共性
(5) 教育の公共性と学校づくりに関わって
2 子どもの平和的自立と〈つながり〉の回復・再生
(1) 一九四七年教育基本法の自立観を指針として
(2) 新自由主義的「改革」が壊してきた〈つながり〉と
その回復・再生
(3) 教育実践の新たな展開 〜関係性能力を育てる〜
補説 集団づくりをめぐる大西忠治と折出との書簡
あとがき