2011/7/8 目次更新 8/18発売   

小林 一穂(東北大学)著

 イデオロギー批判の視角

46並製 224頁 1600円

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これまで,マルクスのイデオロギー論といえば,そのおもな典拠として『ドイツ・イデオロギー』とくにその一部であるいわゆる「フォイエルバッハ章」が取りあげられてきた。たしかに,『ドイツ・イデオロギー』「フォイエルバッハ章」では,イデオロギー,当時の観念論,理念などについて,またそれらを規定する土台などについて,命題的な叙述が示されている。そこに述べられた語句や文章を引用して,これがマルクスのイデオロギー論である,というのには好都合な文献であるのかもしれない。
 しかし,この『ドイツ・イデオロギー』とくに「フォイエルバッハ章」については,近年その文献としてのありかたの検討が進んでおり,そこでの章句をそのまま切りとってきて自説の典拠とするのには慎重にしなければならない,ということが知られてきている*。(「はじめに」より)

目  次

はじめに
第一章 イデオロギー批判の基礎
 第一節 社会の総体的把握
 第二節 生産過程としての社会
 第三節 自己包括の弁証法
 第四節 三つの知

第二章 商品世界の把握
 第一節 商品価値
 第二節 価値形態の展開
 第三節 商品形態による物象化
 第四節 商品の交換過程

第三章 労働力商品の把握
 第一節 労働力の商品化
 第二節 剰余価値の創造
 第三節 労賃形態


第四章 資本世界の把握
 第一節 相対的剰余価値の生産
 第二節 不断の再生産過程
 第三節 資本制的再生産
 第四節 資本蓄積の進展 
 第五節 再生産の始点

第五章 イデオロギー批判の視角
 第一節 近代ブルジョア社会の機構
 第二節 イデオロギー知の誤り
 第三節 イデオロギーの批判的把握
 おわりに
 あとがき

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