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富田満夫著(長崎労働衛生コンサルタント事務所所長,整形外科医) 中高年 女性の腰痛 発売中 150頁 本体2400円 ISBN4-88352-024-2 C3047 \2400E |
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はじめに:著者が第一線の無床診療所で整形外科医として勤務をはじめて25年以上になる。それまで病院勤務しか経験していないため、外科医でありながらメスを取ることなく一日中外来患者の診察を行うことは正直言って苦痛であった。外来患者の中で中高年女性の比率は高く、肩こり、腰痛、関節痛がほとんどで、とりわけ腰痛は苦痛が強く治りにくい。整形外科の教科書に書いてあるような治療法は中高年女性の腰痛にあまり役に立たぬことがわかり、やむをえず針灸、指圧、整体術などの民間療法にも教えを願ったりしての毎日となっていった。このような中高年女性の腰痛は厚生省の統計上も有訴者数・率でトップを占めており、国民的な要求を意味するといってよい。一方厚生省の「患者調査」(1995)によれば、「腰痛症・肩こり」に対して経済的な負担も多いあんま・針灸・柔道整復師による治療が第一線の医療をになう診療所よりも多い。この事実は、苦痛を何とか改善したいとする要求の切実さと、同時に整形外科医をはじめとするわれわれ医師の既存の診断・治療にたいする国民の痛烈な批判といえる。なぜわれわれが行っている診療がこのように患者から遊離してきたのであろうか。とりわけ中高年女性に多い腰痛の高い有訴者数・率をみるとき、看過することのできない現状があると考える。著者はその原因の第一に中高年の女性、とりわけ更年期の女性の腰痛は自覚症状は多彩であるが、それを裏付ける所見に乏しい「不定愁訴」とされている点にあると考えている。果たして「不定愁訴」であろうか。 | |||||||||||||||
目 次 第一章 腰痛の疫学 1・1 自覚症状の性差と年令 1・2 受療率の性差と年令 1・3 退行性変化の性差と年令 1・4 退行性変化は腰痛の原因か? 第二章 自覚症状 2・1 中年期女性の愁訴と腰痛 2・2 高年・老年期女性の愁訴と腰痛 2・3 中高年女性の腰痛は整形外科的疾患か? 2・4 既往歴 2・5 現病歴 2・6 疼痛の強度 2・7 疼痛の性状 2・7・1 疼痛部位 2・7・2 増悪因子 |
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2・7・3 婦人科的症状
2・7・4 自律神経症状 2・7・5 精神症状 2・8 女性労働者と腰痛 第三章 身体的症状 3・1 視診 3・2 触診 3・3 運動性 3・4 神経症状 3・5 末梢循環症状 3・6 圧痛点 3・7 つまみ痛 pinch test 第四章 画像診断 4・1 腰椎 4・2 骨盤 第五章 検査所見 |
第六章 治療
6・1 理学療法 6・2 運動療法 6・2・1 リラクセーション 6・2・2 ストレッチング 6・2・3 筋力強化運動 6・3 薬物療法 6・3・1 鎮痛剤、鎮静剤 6・3・2 ホルモン剤 6・4 局所麻酔剤 6・5 精神心理療法 6・6 東洋医学的治療 6・6・1 鍼灸 6・6・2 漢方 6・6・3 気功、太極拳、ヨ−ガ 6・7 患者教育 |
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富田満夫著『中高年女性におくる Q&A 腰痛の治し方』150頁 A5判並製 本体1600円 |
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