そのまんまでいいんだよ―― 児童画の話 |
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問 1…絵が苦手だ。子どもの絵を理解できるか?
答 …子どもの絵を愛するのに、何の関係もない。むしろ、「苦手だ」と思っていた方が、子どもの心に近づける。それに、子どもの絵を、「理解」しきることなどできない。「子どもの絵を理解する」とは、せいぜい、大人の既成概念を、取り払う努力にすぎない。僕等は、ただ子どもの絵を、愛すればいい。 実は、この本は、「絵が苦手」な人と、語り合いたくて書いた。僕も、絵をうまく描けない。画家でも、美術教師でもない。「子どもの絵が好き」というだけの、ただの素人だ。だから、この本は、図工や美術の指導書ではない。むしろ、それら「専門家」とは随分違ったことを、言うだろう。子どもの絵は、「専門家」の占有物ではない! ところで、思いつくことを書きとめただけの、この本には、特に順序立てなどない。どこからでも、読んでほしい。ただ、こうした断片的文章では、意の尽くせぬところもあった。そこは、文脈や紙背からくんでいただくと、ありがたい。 ともかく、絵画表現に託された子どもの心を、僕なりに、あれこれと想い、語ってみた。絵の得手不得手などかまわない。多くの方々と一緒に、考え合いたいものだ。 問2…子どもの絵を愛するのに、理屈など要るのか? |
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