『価値と価格法則の理論』(1992,創風社)に続く、本格的な理論展開!「労働価値説」を使って過疎問題を分析する。
第一章 経済学における問題意識
第一節 は し が き
第二節 経済学の歴史概説── 学派による問題意識の相異──
1 一般的にいわれている「近代経済学」の問題意識
2 経済学の守備範囲
3 経済分析の視点
4 若干の考察
5 簡単な経済学の発達史
第三節 一応のまとめ
第二章 各学派における価値論展開の問題意識
第一節 は し が き
第二節 学派による価値規定における問題意識の相異
1 W.ペティにみる「重商主義経済学」の価格論としての価値論
2 A.スミス、D.リカードにみる「古典派経済学」の同じく価格論としての価値論
3 「マルクス主義経済学」の『資本論』冒頭における貨幣論としての価値論
4 「近代経済学」の価値論
5 その他のある経済学の価値論
第三節 批判展開の視点について
第三章 価値をめぐる論争の終結
第一節 は し が き
第二節 『資本論』の第1巻と第3巻との「矛盾」ともう一つの論点について
1 価格論的価値論からでた誤ったK.マルクス批判
2 冒頭の商品を資本主義的商品とする根拠のない反論
3 貨幣論的価値論をもたない冒頭商品の前資本主義的商品説
4 不可解な両者の折衷的な把握
5 ま と め
第三節 いわゆる「転形(転化)問題」の不合理性
1 「転形(転化)問題」の概要
2 均衡論としての「近代経済学」的な議論
3 異なった問題意識による議論の展開
第四節 地代論にかかわる批判点
1 批判点の内容
2 「平均原理」と「限界原理」との「矛盾」について
3 「虚偽の社会的価値」の本質
4 小 括
第四章 価値論から見た地代の他の理論的諸問題
第一節 は し が き
第二節 差額地代第二形態の定義と訳語の問題
1 差額地代第二形態の成立条件
2 『資本論』当該箇所の緒論点
3 所説の問題点
第三節 K.マルクスによる絶対地代の規定と諸説──成立条件としての土地所有の独占
第四節 差額地代と絶対地代とが一緒にあるときの考察
第五章 「労働価値説」の現実的な有効性
──現代的な一問題・地域開発を例証に
第一節 は し が き
第二節 過疎問題の価値論的把握
1 いわゆる「地域格差」の実情
2 「地域格差」が発生した理由
第三節 「内発的発展」論によせて
第四節 結論
参考:仙田久仁男の著書
『日本における地域経済学の理論』 A5判上製 286頁 2800円
『経済学の諸法則』 A5判上製 360頁 3200円