既刊案内 村上善男(美術家)

『赤い兎・岡本太郎頌』  

A5 版上製  256頁 予定価 2800円

 岡本太郎にとって、東北は魂の故郷だ。「日本再発見」「神秘日本」いのちの根源にぶつかる旅。これらの取材にずっと附き合ってくれたのが、若き日の村上善男だ。彼の思い出の中にはこの人にしか語れない岡本太郎、貴重なエピソードがびっしりつまっている。同行していた私には懐かしさ限りない。さあ、みんな一緒に躍動する太郎の旅にくっついて行きましょう。

岡本敏子

写真:岡本太郎の作品(モデル 村上善男)
赤い兎・岡本太郎頌

赤い兎とは岡本太郎の謂である。
私にとり、太郎は、白亜の原野を駆ける、孤独な闘う兎である。
本著に「赤い兎」と名付けたのは、『画集・アヴァンギャルド』からの
引用であると同時に、岡本太郎の変らざる、鮮烈なイメージ
そのものの、表題化だと思っていただくと嬉しい。
岡本太郎は、今も謎めく多面体である。
その意味からすれば太郎は、日々発見であり、岡本太郎は
私の裡に、生き続け、跳ね続ける赤い兎だ。  (本著より)        

《目次》       


はじめに

I 赤色変幻

赤色変幻
現代詩と色彩
巧拙を越え
地方にある表現者
六〇年代美術の死と生
書くことの必然性

II 岡本太郎の東北

青森――恐山、川倉と縄文文化
獅子が伏す羊羹の耳
岩手――馬と鹿、エゾの魂の象徴
藤澤・縄文の炎
藤澤・縄文の炎 1997
盛岡四景
ホークロア再発見
講演ノート――日本民藝協会一九九九年夏季学級(仙台)

III さらば岡本太郎

つらぬかれた個性
歩行する鳩
「二科会」脱退前後
「アトハキミガヤレ」の声
さらば岡本太郎
岡本太郎に乾杯
都市のモニュメント
帰ってまた岡本太郎
赤い鬼・見えない建築
赤い兎――後

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