福島県立図書館 児童図書研究室・レファレンス集 No.1
(7/9)更新!!
レファレンス記録1
 木島 始氏の詩に出てくる「ゲナグゼジュ」とは何か?
当館資料で調べがつかず、作者・木島 始氏ご本人にお問合わせしたところ、素敵なお返事をいただきましたので、ご紹介します。(掲載には木島 始氏のお許しを得ています)
こどものへや児童図書研究室→木島始様
                   平成14年4月12日
木島 始 様

 先日、貴著『花のきもち』『あわていきもののうた』に収録されている「ゲナグセヂュ」について、「ゲナグセヂュとは何か?」という問合わせが当館にありました。当館資料やインターネット等で調べてみたのですが、みつけることができませんでした。
 詩には、作者の創作意図とは別に、読者が想像する自由、イメージをふくらませる楽しさがあると考えております。当館にお問い合わせくださった方は、御自分でイメージした上で、どうしても木島 始先生が意図した「ゲナグセヂュ」とは何かを知りたいとのことです。
 手がかりを求めて『花のきもち』を発行した創風社に問合わせましたところ、木島始先生に直接問合わせてみるようにと、住所を教えてくださいました。お手数の上、詩人である先生に大変失礼かとは存じますが、「ゲナグセヂュ」について、お返事をいただければ幸いです。よろしくお取り計らいください。

                 こどものへや児童図書研究室
木島 始 様→こどものへや児童図書研究室

ゲナグセジュのこと

何もの? と,言われて、初の質問で、ゲナグセジュくん、びっくりしたことでしょう。
いや、喜んでいるかも知れません。声をかけられ、相手にされたことで。

生まれたのは、もうかなり前で、「あわていきものうた」という本を作った1978年より、もっともっと前です。
わたしと妻と、長女と次女の四人で、小さな紙切れに、「自分がいちばんいやな、聞きたくない、見たくない音をあらわす文字を、それぞれ裏に書いてみよう」といって、その紙切れを、ひっくりかえし、そのうちの5文字を、つなげたのです。
それが、だれも見たことも、聞いたこともないゲナグセジュくんの誕生でした。
あとは、わたしが、そんな感じの空想の生きものの相手をして、一編の詩にしたのでした。
ですから、これは、調べようがない、まさしく読者に空想してもらうしかない生きものなのです。

以上が、作家としてのお答えです。

                 2002年4月15日 木島 始

P.S. 長女と次女は、5歳ちがいで、長女が低学年生のころか、
   と思います。いまその長女は、カニグズバーグ作品集の
   訳者です。