宇都宮大学混声合唱団
「木のうた」演奏顛末記
 京都でのコンサートの一週間まえに、東京でも「木のうた」が歌われました。こちらは、林光作曲の合唱曲でした。
 かなりよく歌われる作品ですが、今年のは、すこし例年とちがって、もとの絵本の絵をスライドで見せながらにしたいという願望が、伝えられてでした。
その願望をかなえた山口友見さんの報告です。
 ちなみに、原書は、ジョールジュ・レホツキーさんのドイツ語の文章で、1971年にオーストリアで出版されています。
わたしは、その絵本原文の代わりに、一枚一枚の絵に、詩をつけるようにしたいと、提案し、了承され、契約が成立しました。そのために、すでに英訳のあった  わたしの詩を、提示してもらったのが、よかったのでしょう。
 日本語版の絵本「木のうた」がでたのは、1979年です。
林光さんの合唱曲は、80年に放送、81年にステージ初演です。
同詩異曲として、工藤吉郎さんのが、京都で初演されたのでした。

           
2002年7月12日         木島 始 

宇都宮大学混声合唱団
「木のうた」演奏顛末記

 私たちは栗山文昭氏を常任指揮者に迎えて活動をしている混声合唱団です。
今年1年間「木のうた」に取り組むことになったのですが、栗山先生から「木のうた」の演奏と一緒にこの曲のもとになった絵本の映像をスライドにして上映できないだろうか、という提案がありました。とてもすてきなことだと思い、実現させるべく動き出しました。
 出版物を公共の場で扱うには著作者もしくは著作権保持者の許可が必要な事は知っておりますが、この絵本、「木のうた」(絵:ジョルジュ・レホツキー 詩:木島始)の日本での出版社である「佑学社」は現在はなく、絵本も絶版になっています。
 そこで、木島始先生に相談したところ、この絵本のもともとの出版社、ドイツのAnnete Betz Ferlagを紹介していただきました。そこでその出版社に、絵本の著作権を持っているはずのジョルジュ・レホツキーさんを紹介していただこうと手紙を送りました。
 返事はすぐに頂けました。ジョルジュ・レホツキーさんは1901年生まれの方です。今はすでに亡くなっており、著作権は娘のベラ・デイックマンさんにあるとのことでした。
ベラさんの住所を教えていただいたので、今度はベラさんにお手紙を出しました。ベラさんは、おそらく日本でこの絵本が出版され、さらには合唱曲になったいきさつまでご存じ無いはずで、そういったことも含めてこちらの状況をお知らせし、お願いしました。
 お返事は、パスカル・ディックマンさんから届きました。パスカルさんはベラさんの息子さん、つまりジョルジュ・レホツキーさんのお孫さんです。「木のうた」の絵本には、『孫のムキに。』と添えられていますが、まさにパスカルさんこそそのムキさんだったのです。『ムキ』とはハンガリーの言葉で『小さな熊』と言う意味だそうです。ベラさんもパスカルさんも、日本でこの絵本が感動を与え、合唱曲になり、歌われていることをとても喜んでいらっしゃるようでした。そして絵本の使用許可をいただき、演奏会の写真やビデオをお送りすることを約束しました。
かくして私たち宇都宮大学混声合唱団は、今年最初の演奏会、「幸福のよつばのクローバーコーラルコンサート〜4大学合唱団によるジョイントコンサート〜」において、「木のうた」の絵本を紹介しながら演奏することが出来ました。お客様にも喜んでいただけたと思います。
せっかくの機会ですから、これからの演奏予定を紹介させていただきます。9月13日(金)に福岡県中間市で開催いたします「19 th Summer Concert in なかま」、また翌春1月26日(日)の栃木県宇都宮市、「第36回定期演奏会」で「木のうた」を演奏することが決まっています。このページをご覧の方で、お近くにお住まいの方がいらっしゃったらぜひお越しください。
詳しくは宇都宮大学混声合唱団ホームページ http://homepage2.nifty.com/uumc/ をご覧ください。