子どもの心の成長を母親の変化と対比させて見る!
M1 T1
M2 T2
M3 T3
M4 T4
M5 T5
M6 T6
 M 小学2年生 2011年4月24日に家で描いたものです。M 子は1年生のとき2,3日学校にいって最初から「私は学校に行かない」と宣言して2年生になっても学校へ行っていません。3月6日に卒園した保育園で「絵を描く会」があったとき一家4人で参加しました。T1 の絵はそこでテーマがあって描いた母の絵です。母は子どもに対しても心を閉じてしまうと言う大きな悩みを長い間持っていました。絵も整然と整った無表情な喜怒哀楽のない絵になっています。そこでお父さんが「大人も子どものように絵を描く意味はあるものですか」と聞かれたので子どもと同じように太い筆とポスターカラーのような色で絵を描くことは精神的に大きい意味があります, と答えました。早速家で母も,子どもも,父も絵を描き始めました。 M1 の絵は1年生だったとき毎日のように行き来していた年下の友達が学校へゆくようになって寂しさを感じていらいらしているのでしょう。 真ん中に描いてある鳥のような動物は体の周りにとがったものがたくさんでています。これは攻撃的な感情あるいは積極的な感情を表します。 この絵の全体を見直してみるとき点々も含めて決して明るい感情ではありません。M2 4月26日 M1 から2日後のナす。絵のうえではますます激しい感情があらわれています。水分の多い色になり幼児的感情さえも感じられます。T2 の絵は母が自分がこのように子どもが本当にかわいいという感情で子どもと向き合うことができいないように感じていました。受け入れることが少なくなってるのは,小学校低学年の頃に物置の中に閉じ込めるような叱り方で育ててくれた母の影響が大きいのだとだと思っていました。しかし物置の中で泣きもせず折紙を折っていたそうです。それは1度や2度ではなかったようです。おそらくそのときに自分の感情を心の中に押し込めて折紙を折ることによって心を閉ざし癒していたのでしょう。これも長い間彼女を苦しめてきた1つです。しかし母のせいばかりではないぞと東日本大震災の後,気づきました。そして生きていることがすばらしいのだと感じるようになりました。それに気づいた後で描いたの絵です。大きな赤い鳥は翼を紙いっぱいに広げ前に向かって過去とは縁を切るようなスピード飛んでいます。自分の気持ちが前向きに変わったことは本人も気づいていることでしょう。M2 の絵はそんな母の変化をを感じているのでしょうか,安心して自分の絵を描いています。M3 友達が学校へ行ってしまっ混乱は続いています。けれどもその混乱を絵の上で思い切り出し切ることが気持ちを内向的にさせていないことになっています。真ん中の黄緑の薄い太陽は自分なのでしょう。そして周りの太陽は家族や大人なのでしょう。絵の下のほうに黒で描かれている鎖のようなものは学校の“ネバならない”という力を感じているのだと思われます。T3 絵は前向きな自分になると無意識に過去から精神的に生まれ変わるようです。この絵は無意識に母の産道から生まれた瞬間を描いていると思われます。精神的に生まれ変わっていくのでしょう。生まれた瞬間の光を浴びた感覚はこのようなものだと思われます。そして T4 の絵はやわらかい乳の感覚がデリケートに感じられます。 気持ちもやわらかい肌の感じを描こうとしていることが見受けられます。それは無意識に満足していなかった母への思いをこの絵を描くことによって満たそうとしているのだろうと考えることができます。M4 4月29日 M3 や M2 の絵の混乱はまるでなくなっています。色も明確で形もしっかりと描かれています。これは自分の意志がこれを描くんだとはっきりしして立ち向かっていることを意味します。 T5 母がこの絵を描く前日(5月5日)に父親からメールがきました。「不登校の子の教育相談を聞いていて子どもの意志や思いを大切にすることがいかに大切なことかに気づいて,自分のことを振り返ってお前には申し訳ないことをした,と謝罪して,お前たち夫婦は M 子の登校しない思いをなぜ大切にしているかを理解することができた,これからは何でも協力します」と物置に閉じ込めたような父親が理解を示したそうです。この絵は晴れやかで空をとんでいるような雰囲気を持っています。父からのメールは生まれてから30数年も心の中に引っかかっていた,とれそうもない目に見えない何かが飛び去っていった瞬間あったのでしょう。絵も空を大きな星が気持ちよく飛んでいます。星は自分を象徴しています。絵の真ん中に描き星はとがっています。とがったものが絵に出てくるときは気持ちが積極的になって攻撃的になっているときです。この母親の感情に刺激されたのでしょうか,M 子の M5 の絵も見るからに楽しいペロペロキャンデイです。この絵は母の T5 の絵と一緒に描いています。保育園が子どもの意志を大切に育てる保育園の環境だったので ,M 子も意思を大切にされ成長しています。もちろん絵も自分の意志で描くことができたので卒園して1年以上過ぎている今でもナ描いている母親の絵を真似することはありません。この絵には自分という個人が自立してしっかりと成長していることを見ることができます。M6「絵を描くことは研究と実験だ」というピカソの言葉を思い出します。人生が研究と実験であるように明るさは持っているが縦系の筆の使い方が目立ちます。力の入った縦の線も攻撃的な感情の表れの1つです。T6 自分の気持ちに一区切りついて朝日が昇るような毎日を迎えていると思われます。そして多少の波にも向かってゆく強さも感じられます。