2013年6月11日発売  

富 田 満 夫(医学博士)著
医師チェーホフ
発売中

A5判上製242頁 本体2,000円

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 チェーホフは短い生涯の中で,500をこえる小説,戯曲などの文学作品と膨大な手紙を残している。肺結核に苦しみながら日常診療を行い,予防活動を重視して献身的に診療を行い,しかも死の危険をおかしてシベリア鉄道が敷設される前にサハリン島(樺太)まででかけて,囚人たちの悲惨な現状を調査し,告発しているのである。その後も重度の結核に苦しみながらも,医師としての診療活動,饑饉救済活動への支援,コレラの防疫,学校建設にまでたずさわり,文筆活動のみならず精力的な医療・社会活動を行っている。全くの脱帽である。このようなチェーホフの生涯は,行動力をもたない筆者に強い衝撃と共感・羨望を与えたのである。(はじめにより)

第1章 19世紀ロシアの社会情勢
 第1節 大改革の時代
 第2節 政治的反動の時代
 第3節 資本主義の発展
 第4節 革命の思想と運動
 第5節 ロシアの外交政策

第2章 19世紀ロシアの医療情勢
 第1節 19世紀における医学の発達
 第2節 19世紀ロシアにおける医療情勢
 第3節 チェーホフと郡会医  

第3章 医師チェーホフの生涯
 第1節 小徒刑囚チェーホフ
 第2節 医学生チェーホフ
 第3節 青年医師チェーホフ
 第4節 田舎医者チェーホフ
 第5節 患者チェーホフ

第4章 作品における医師像
 第1節 登場・話題のみの医師
 第2節 部分的に描かれた医師(医学生,准医師など)
 第3節 主要人物としての医師像

第5章 作品における医療
 第1節 疾 患
 第2節 症 状
 第3節 診 察  
 第4節 治 療
 第5節 民間療法
 第6節 その他 

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