この本は次の点を特色とする。1 主要な学派を網羅し1989年以降の新展開を重視する。2 国際的に発信・比較可能な解説を追求する。3 可能な限り各章ごとに現状分析のサーベイも加える。
(主要目次)
第1章 再生産論と恐慌論:到達点と課題
(谷村 智輝・同志社大学)
はじめに
第1節 恐慌論と再生産論:「久留間―富塚論争」について
第2節 再生産論の動学化としての均衡蓄積軌道と
恐慌
第3節 再生産論と恐慌論:MEGAの検討から
おわりに
第2章 均衡蓄積軌道・固定資本の補填・資本の絶対的
過剰生産――富塚恐慌論の主要論点――(守 健二)
第1節 富塚恐慌論の理論的特徴
第2節 富塚恐慌論の定式化
第3節 減価償却基金積立問題と過剰蓄積
まとめ
第3章 宇野恐慌論の展開(江原 慶・東京大学大学院)
第1節 資本蓄積過程と価格変動
第2節 信用恐慌論の拡充
第3節 不況の理論化
第4節 恐慌論の意義と方法
第4章 宇野恐慌論と数理モデル化(熊澤 大輔・立命館大学)
はじまり
第1節 宇野モデルにおける実質賃金率の決定
第2節 古典的宇野モデル(Goodwin型)
第3節 伊藤モデル(債券市場導入型)
第4節 星野型(投資の独立性重視型)
おわりに
第5章 置塩恐慌論概説(熊澤 大輔・立命館大学)
第1節 置塩恐慌論の論理構造
第2節 稼働率、実質賃金率、雇用の理論
第3節 販売と購買の分裂
第4節 実質賃金率の決定
第5節 おわりに
第6章 信用論・信用恐慌論の研究潮流
(吉村 信之・信州大学)
第1節 信用論・信用恐慌論の研究状況
第2節 信用と恐慌
第3節 信用論恐慌論と現状分析
第7章 ポストケインズ派マクロ理論と恐慌論
(大野 隆・立命館大学)
第1節 ポストケインズ派マクロ理論 第2節 不均衡的景気循環論 I
第3節 不均衡的景気循環論II
第4節 不均衡的景気循環論III
おわりに
資料:恐慌論関連文献目録
参考:田中菊次著『現在の経済原論』
田中菊次著『マルクス経済学の学問的達成と未成』
柴田信也編著『政治経済学の原理と展開』
田中菊次著『新しい社会の経済学』 私の意見のコーナー
柴田信也編著『政治経済学の再生』
田中菊次著『「資本論━経済学の批判」(全3部)
━━その理論的・体系的未完成の解明とその完成のために━━』
大友伸一著『恐慌論研究から証明される資本主義の終焉』
目黒雄司著『論説委員『資本論』を学ぶ』
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