2014年7月29日発売 

大 友 伸 一(経済学博士〔東北大学〕、宮城学院大学非常勤講師)著
恐慌論研究から証明される資本主義の終焉
―― 労働価値原則の消滅と最期の恐慌(競争の実観)――

発売中

A5判上製648頁 本体3800円

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 ……「貨幣資本の過多」について理論的には十分なほどに展開されてはいるはずなのであるが,しかし現今の市場原理主義や,その内実と言うべき金融依存的資本主義の専横・跋扈の現状を見ていると,どうしても言い足りなかったという思いを抑えることが出来ない。すなわち,金融偏重へと傾斜する現代資本主義の動きは,労働価値原則の観点からはきわめて異常で奇異なものであり,本質的に意味なきものである。ゆえに,このさいそれを完膚無きまで叩き潰しておく必要があると思う。(本書「はじめに」より)

 (主要目次)
 第 I 部 1929年の大恐慌 序章 第1章 1929年恐慌の前論 第2章 重工業的生産力の後半段階としての自動車産業 第3章 アメリカ重工業の世界史への登場 第4章 吉冨勝氏の大恐慌論から「自動回復力」 第5章 吉冨勝氏の議論とJ・K・ガルブレイスの注目すべき指摘 第6章 時代の雰囲気 第7章 1920年代前半のアメリカにおける投機出現の出発点 第8章 フロリダの土地投機 第9章 ニューヨーク株式市場 第10章 アメリカ的な重工業の型 第11章 時代の雰囲気を創ったもう1つの契機 第12章 時代の雰囲気とニューヨーク株式市場の活況 第13章 時代の雰囲気とニューヨーク株式市場の活況
 第14章 1920年代の前期好況 第15章 アメリカ1920年代の循環を総括する 第16章 侘美光彦氏の『世界大恐慌』について 第17章 ガルブレイスの指摘からの補足 第18章 崩壊前夜 第19章 大恐慌の最終章 第20章 ニューヨーク株式市場の巨大崩壊 第21章 ニューヨーク株式市場最終崩壊第22章 ゴードン,マックス『アメリカの死んだ日』 第23章 恐るべき最後の策謀 第24章 グラス・スティーガル法 第25章 ニューディール政策 第26章 ニューディール政策よりも戦争経済 第27章 戦争の経済的意義 第28章 戦争の開始 第29章 生産の無政府性について 補論 資本主義経済に必要な有効需要とは紙幣のことではない 第30章 ケインズ的発想による1929年大恐慌のまとめ 第31章 経済の計画化の問題 

第 II 部 第2次世界大戦後の経済 第1章 ブレトン・ウッズ体制 第2章 イギリスの金本位制とアメリカの金本位制 第3章 ドル散布の問題 第4章スタグフレーション 第5章 1980年代のアメリカの危機 第6章 レーガノミックス 第7章 レーガン政策のもう1つの側面 第8章 原理の変更 第9章 資本主義経済の最期の準備を整え始めた1980年代 第10章 経済の金融化,「金融派生商品」について 第11章 労働価値法則の終焉 第12章 全体として見た資本主義経済の成長 第13章 前世紀の前半に消し去ったはずの金融暴走資本主義の再登場 第14章 生産しない資本主義 第15章 カジノ資本主義第16章 第3次世界大戦 第17章 投機経済の成長 第18章 1990年代クリントン政権の時代 第19章 階級闘争史観について 第20章 労働価値原則の終焉と最期の恐慌 その1 第21章 労働価値原則の消滅と最期の恐慌 その2第22章 労働価値原則の消滅と最期の恐慌 その3 最終章 時代の状況についての考察 結びに代えて

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