新刊案内 2015年12月15日発売

槇石多希子(仙台白百合女子大学),高橋満(東北大学)著

対人支援職者の専門性と
学びの空間

――看護・福祉・教育職の実践
コミュニティと力量形成――

A5判並製288頁 本体2400円

発売中

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 現代社会は,失業,貧困などそれまでの社会問題とは異なる多くの諸問題を生みだしている。グローバルな視点では地球環境問題があるが,日本社会にそくしていえば,若者の失業問題だけではなく,引きこもりや子どもの世界に広がるいじめや自殺などが大きな社会問題となっている。同時に,これらの諸問題に対するアプローチも大きな転換がみられる。国家による社会的配分をとおした制度的保障から,個別臨床的なアプローチとしての支援が主流となっている。これはメダルの裏側としての政策における「自立」志向/市民の主体性の強調が対応している。例えば,子ども・若者政策についてみると,2009年に制定された「子ども・若者育成支援推進法」では,こうした子ども・若者を対象にして,包括的・個別的・継続的な包摂のための支援をめざしている。「支援」は時代が要請する専門職の役割となる。
 この研究は,看護師,保健師,ソーシャルワーカー,保育士,児童館職員,ユースワーカー,図書館司書,学芸員,公民館主事などの社会教育職員など対人支援職・者の専門職としてのアイデンティティが日常的な職場の実践コミュニティでいかに形成されるのかということを明らかにしつつ,これと対比しした社会教育関係職員の専門性を明らかにすることに目的がある(本文「序章」より)。

目  次

 
序章 対人支援者の力量形成(高橋,槇石) 第I部 対人支援の理論的検討 第1章 支援の原理としてのケアの哲学(小林建一) 第2章 対人支援が「成人教育」になるとき(松本大) 第II部 学びの空間のリアリティ(医療・福祉職の実践コミュニティ) 第3章 看護の力をどう高めるのか(高橋) 第4章 支援のネットワークをつくる保健師の力量(高橋,槇石) 第5章 多様な実践コミュニティへの参加とソーシャルワーカーの専門性 (櫻幸恵) (子ども・若者支援職の実践コミュニティ) 第6章 保育者の自己形成と実践コミュニティの変容プロセス(香曽我部琢) 第7章 学童保育・児童館における支援者の専門性と力量形成(李智) 第8章 岐路に立つ青少年施設と職員の力量形成(上原裕介) (社会教育職の実践コミュニティ)第9章 図書館司書の専門性と実践コミュニティの分断(廣森直子) 第10章 博物館職員の専門性と力量形成(渡邊祐子) 第11章 公民館職員の専門性とは何か――おわりに 公民館職員の力量の構造と研修機会(高橋)終章 力量形成と実践コミュニティ 

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