本書は,3章からなっています。
第1章は,「憲法・戦争・教育改革」と言うテーマです。ここでは,安倍内閣の戦争する国づくりに伴う憲法改正の動きを,自民党憲法改正草案,集団的自衛権などに焦点をあてて明らかにします。また,安倍首相の薦める育鵬社の教科書と東京書籍の教科書などを比べ,更に,「従軍慰安婦」と南京大虐殺に焦点を当て戦争の実態と歴史的事実に向き合います。
そして,安倍教育改革を「道徳の教科化」と教科書内容への統制に焦点を当ててそのねらいを明らかにします。
第2章は,「3. 11東日本大震災と子ども・教育」というテーマです。ここでは,3. 11東日本大震災が地震・津波と原発事故という深刻で複合的な被災であること,さらには,広域的な被災であることを前提に,東日本大震災の実態を振り返りつつ,この大震災が日本社会に与えた影響,何をこそ学び取らなければならないかを明らかにします。
また,この大震災を子ども・教育と言う視点からその影響や考えるべき課題を明らかにします。
第3章は,いじめ問題を考えるです。2011年の大津のいじめ自死事件の後,いじめ問題は,戦後第四のピークを迎えました。本章では,その4つのピークを丁寧に追いながら,いじめ問題をどのような問題としてとらえたらよいのか,そして,いじめ問題を真に克服する道すじは何かなどを明らかにしていきます。
それぞれの章ごとに数十冊の絵本を紹介しました。それぞれの絵本は,各章の内容をより深く理解する上で有効だと思われます。(「はじめに」より)