(2018年6月22日一部更新 )

富 澤 修 身(大阪市立大学)著

都市型中小アパレル企業の過去・現在・未来

―― 商都大阪の問屋ともの作り ――

A5判並製 260頁 本体2400円

ISBN978-4-88352-247-7

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本書は,「問屋ともの作り」の視点から大阪の中小アパレル企業の過去・現在・未来を論じている。大阪には,紡績企業・合繊企業,総合商社・専門商社,織編業者,糸商・生地問屋,染色加工業者,衣服問屋・衣服製造問屋・衣服製造卸,縫製業者,付属品業者,ミシンメーカー,業界団体,繊維関連マスコミ,大学の家政学部・服飾専門学校等々,繊維に関わるほとんどすべての企業・団体・機関が揃っていた。産業集積という点ではほぼ完璧であった。したがって,産業集積研究としては大阪は絶好の研究対象ではあるが,従来の研究史では時期区分した上での諸主体とその諸機能の作用と反作用の全体像は不明のままである(本書「はしがき」より)。

目次

はしがき
第1章 戦前期大阪の繊維関連問屋卸商について

 1 はじめに
 2 戦前大阪市の産業構成と税収
 3 営業税50 円以上納付企業の分類と特徴
 4 営業税1万円以上納付企業の分類と特徴
 5 代表的な繊維関連問屋卸商
 6 むすび

第2章 大阪の中小羅紗製品・紳士既製服企業史
 1 はじめに
 2 戦前の羅紗製品等関連企業と平野屋羅紗店
 3 1950 年代大阪の紳士既製服の流通と生産(第1 期)
 4 1960 年代大阪の紳士既製服の流通と生産(第2 期その1)
 5 1960 年代から90 年代半ばまでのメルボ紳士服(第2 期その2)
 6 1990 年代以降の新供給ルート――縫製基地としての中国(第3 期)
 7 むすび

第3章 ワンダラーブラウス――商社と元請けの役割
 1 はじめに
 2 ブラウスと流行
 3 米国側からの発注と日本側の受注生産体制
 4 ワンダラーブラウスの影響
 5 むすび

第4章 戦後大阪の中小繊維アパレル企業変遷史
 1 はじめに
 2 戦後大阪の中小繊維アパレル企業史
 3 イノベーションの契機と種類と要因
 4 中小企業経営者の言説
 5 これからのポジショニング
 6 むすび

第5章 戦後における衣服縫製業の変遷――標準作業と中国移転を念頭に
 1 はじめに
 2 戦前の技能形成と下請工場
 3 労働力が豊富な時代、戦後直後の町工場
 4 若年労働力不足の時代、1964 年当時の下請工場と科学的管理の導入
 5 後発国による追い上げの時代、1970、80 年代における下請生産とシステム構築
 6 縫製機能の中国移転の時代、1990 年代の対応
 7 国内再評価と国内復活への企図の時代、2000、10 年代の対応
 8 むすび

第6章 大阪の繊維ファッション業界の構造とイノベーション指向度
 1 はじめに
 2 回答企業の強みとイノベーション事例
 3 アンケート回収票の集計分析
 4 得られた特徴
 5 構造分析モデルの構築
 6 提言――イノベーション指向の視点から
 7 むすび

終章 アパレル産業からファッション産業へ
 1 はじめに
 2 前章までの要約
 3 4 事業分野に共通する2 つの特徴と課題
 4 2 つの課題解決
 5 むすび――アパレル産業からファッション産業へ

参考: 『アメリカ南部の工業化』
   『構造調整の産業分析』
   『ファッション産業論』

 

 

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