(2018年6月14日更新)

植田浩史(慶應義塾大学教授)・田中幹大(立命館大学教授)編

中小企業と産業集積

―― 2010年代の東大阪地域の現状と課題 ――

A5判並製280頁 本体2500円

ISBN978-4-88352-249-1

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 本書では,われわれの前作である植田浩史編『産業集積と中小企業――東大阪地域の構造と課題――』(創風社,2000年)で分析した東大阪地域の産業集積と中小企業が,2000年代以降リーマンショックを経て,どのように変化し,どのような課題に直面しているのか,実態調査をベースに明らかにした。
 21世紀の今日,産業集積をめぐる環境は,国内製造業の縮小,国内消費の低迷など厳しい。経済や産業のグローバル化の影響,ICT産業の発展,IoTの広がりなど製造業をめぐる技術も大きく変化している。一方,中小企業経営者の高齢化が進み,廃業する企業も多く,企業数の減少が進んでいる。こうした状況の中で,ものづくり中小企業の課題も,産業集積の持つ意味も大きく変化している。
 本書は,多面的な視点から東大阪地域のものづくり中小企業の実態を分析し,東大阪地域の産業集積が中小企業の課題に対してどのような働きをしているのか,どのように機能すべきなのかを論じたものである。

目次


序章 東大阪地域産業集積研究への視角(植田) 

第1章 2000〜10年における東大阪地域の機械金属工業(大田康博:徳山大学経済学部教授) 

第2章 製造業実態調査から見る東大阪地域産業集積(植田) 

第3章 環境変化と中小企業(植田) 

第4章 ねじ産業(田中) 

第5章 金型産業(藤川健:兵庫県立大学経営学部准教授) 

第6章 中小企業のグローバル化と生産ネットワーク(田口直樹:大阪市立大学大学院商学研究科教授) 

第7章 産業集積と中小企業の海外事業展開(関智宏:同志社大学商学部教授) 

第8章 中小企業ネットワークの変化(粂野博行:大阪商業大学総合経営学部教授/平野哲也:山口大学経済学部講師) 

第9章 産業集積と住工混在問題(梅村仁:大阪経済大学経済学部教授) 

第10章 地域金融機関の経営行動と存在意義(林幸治:大阪商業大学総合経営学部准教授) 

第11章 ものづくりの技とアートの新結合(本田洋一:大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員) 

第12章 縮小期の産業集積におけるイノベーション(出石宏彦:Senior Lecturer, Aston Business School) 

補章 地域産業政策(植田/宮川晃/三浦純一(大阪市立大学都市研究プラザ・特別研究員) 

終章(植田) 

参考: 『産業集積と中小企業』
   『「縮小」時代の産業集積』
   『公設試験研究機関と中小企業』
   『地域産業政策と自治体』
   『地域産業政策』

 

 

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