本研究は,山形県の農村(主として庄内地方)を舞台とした,いわゆるバブル経済崩壊以降の長期不況下における
農家経営と村落の動向を,叙述的に分析したモノグラフである。事情により2 部構成となり,第1 部の本書では
営農志向や産地化・組織化を扱い,後日出版予定の第2部では新規農業参入者や村落内集団を切り口にする。日
本農村社会学は,周知のように村落(部落)のモノグラフ研究をその基礎としてきた。本研究もその流れに連な
るものである。 (「はじめに」より)
はしがき
序 章
第1 節 研究の背景
第2 節 本研究の課題
第3 節 本書の構成
第1 部 農村の組織化と営農志向
第1 章 庄内農業・農村の概況
――1990 年代後半以降の統計の整理から
第1 節 農家経済の動向――水稲作を中心に
第2 節 水稲作以外の状況
第3 節 農業経営規模の変化と若手就農者
第4 節 小括
第2 章 水稲単作・兼業化深化村落における営農志向
とその特徴――山形県酒田市中野曽根の事例
第1 節 はじめに
第2 節 中野曽根における営農志向と典型事例
第3 節 終わりに
第3 章 兼業化の深化と稲作生産組織の動向
第1 節 はじめに
第2 節 両組織の設立と集団栽培の解散
第3 節 兼業化の進行・深化期の変化
第4 節 終わりに――今後の方向性に関して
第4 章 農作業の広域組織化とその性格
――山形県酒田市北平田地区における無人ヘリ防除
組織等を例にして
第1 節 はじめに
第2 節 無人ヘリ防除組織の設立経緯と現状
第3 節 背景にある社会関係
第4 節 終わりに
第5 章 2020 年における中野曽根の営農志向
第1 節 はじめに
第2 節 北平田地区の集落営農の経緯
第3 節 2020 年における中野曽根の概況とミニRC の
経緯
第4 節 2020 年における中野曽根の営農志向
第5 節 終わりに
第6 章 花卉複合作優位村落における営農志向とその特徴
――山形県東田川郡庄内町連枝の事例
第1 節 はじめに
第2 節 連枝における営農志向と典型事例
第3 節 終わりに
第7 章 花卉産地の形成と先駆的農民
第1 節 はじめに
第2 節 輸出球根栽培への取り組み
第3 節 危機と克服
第4 節 ストックらの産地形成
第5 節 終わりに
第8 章 2020 年における連枝の営農志向
第1 節 はじめに
第2 節 2020 年における連枝の概況
第3 節 2020 年における連枝の営農志向
第4 節 終わりに
あとがき