私は現在、芳賀たかし漫画集の編集、製作活動にとりかかっている。私は芳賀たかしの姪の息子であるが、創風社では『1930年代の青春の画家たち』、『芳賀仭画集』に続き漫画を発行出来ることになって光栄である。
芳賀たかしは、1930年代に活躍したプロレタリア画家であるが、漫画においても名作を残していた。
今、編集作業にとりかかっているのは、『人類物語―坊やの密林征服』、『愉快な子熊』である。『坊やの密林征服』は三一書房刊『少年小説体系』に収録され、『愉快な子熊』とともに、先日発刊された松本零士、日高敏編『漫画大博物館』(小学館)でも紹介された。戦前の、中村書店から発行された芳賀たかしのマンガは手塚治虫や松本零士も研究した。ちなみに、創風社から『小熊秀雄童話集』、『小熊秀雄詩集』などを
発行している小熊秀雄も漫画家として活躍していた。旭太郎というペンネームで『火星探検』という作品を残している。この作品も中村書店から出版され、透土社の復刻版では手塚治虫や松本零士の対談集も掲載されている。今度はカラー版で小学館から復刻される予定である。その小熊秀雄を中村書店に紹介したのが芳賀たかしである。
今回出版される、芳賀たかし漫画集1の『愉快な子熊』は現在日本ではいくつかの図書館にしか所蔵されておらず、入手は困難である。そこで65年もの歳月をへて、復刊を試みるしだいである。IT技術も進歩してきたのでどこまで原本をみやすい形で復元出来るか挑戦している最中である。そんなとりくみをしながら、編集、製作をしているところです。
参考:『愉快な小熊』『人類物語―坊やの密林征服』
2004年 12月13 高橋 亮