PETでの癌検診について 

 PET(ポジトロン放射断層撮影)での癌検診が流行しています。私の知人や、親戚が何人も検査費用や、被爆の危険性など十分な知識のないまま、検診を受けます。「PETでは、癌以外の物質も沢山拾う」と、創風社のPET研究に詳しいK教授から、10年も前に、いわれてましたが、初めて朝日新聞12/16日朝刊に、その内容が詳しく掲載されました。
その内容を一部紹介します。

CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴断層撮影)が、がん組織の「形態」をみるのに対し、PETは「活動度」を測る。「活動性が高いと悪性度も高く、早く治療した方がいいとも言える」と横浜市立大の井上登美夫教授(放射線医学)。ただ、この特性はPETの弱点にも通じる。脳、心臓、腎臓、膀胱などの部位や炎症部分はブドウ糖が元々集まりやすく、がん細胞が原因で集まったのか見分けにくいからだ。このため、多くのPET検診実施施設では、CT、超音波、腫瘍マーカーなどと組み合わせて、総合的に判断するコースを勧める。」


PETの利点と欠点

先端医療センター(神戸市)の千田道雄映像医療研究部長が挙げるPETの利点は、ほぼ全身を調べられ、早期がんが見つかることもあること。一方、欠点は生存率向上にどれだけ役立つかのデータはまだなく、値段も高いことだ。胃カメラなど複数の検査をこなすのに比べれば心身の負担が小さいが、検査1回の被曝量は自然界の1年分に相当する。
 また、「がんは発見が早すぎても治療のタイミングが難しい。どの検査方法の組み合わせが一番長いかは、研究途上です」(国立がんセンターの森山紀之がん予防・検診研究センター長)との指摘もある。

これらの記事を読み、今後もPETの研究内容を整理していくことは重要だと強く感じました。

高橋 亮(04/12/16)

編集長から一言

今までのテレビ報道や新聞記事はほとんどすぐれた検査装置としてPETを紹介していましたが、初めて問題点を指摘する記事が出ました。医療機関内部からは、なかなかこういう意見が
出てこないのはなぜでしょう?

参考:日本ヒト脳機能マッピング学会HP

『難治性てんかんの外科治療』