私は現在、『マーケティング戦略論(仮題)』の原稿の編集作業にとりかかっています。この本には、商工中金で中小企業研究奨励賞の受賞した『現代の商店街活性化戦略』の著者が3人参加しています。現在、原稿は12本中6本入稿されています。創風社は中小企業ですので、大がかりな市場調査は行っていませんが、この本の精読に入る前に、自分なりに市場の動向を知るために何を行っているかを整理してみることにしました。
私は、物流の仕事も行っていますが週に2回ほど、取次ぎにいきます。そこには書店から寄せられた短冊があります。その短冊を会社で、本にはさんで再び本と一緒に取次ぎに送ります。各短冊には、書名、地域、書店名などが記載されています。短冊に目を通すと、何故、この本が今、この地域から注文がくるのか見当がつくこともしばしばあります。また、本の在庫を調べることも市場の動向を知るヒントとなります。毎日、営業、物流、製作(DTP,Web)、編集業務に没頭していると充分配慮できないこともありますが、会社や倉庫(田舎にある)にどんな本がどのくらい残っているかを把握することで、本の売れ行きを判断します。そして、著者から学生からの講議の感想を見せてもらうこともあります。このような情報も今後、どのように本をつくったらいいのか考える上で参考になります。
最近は、何時何分にどの地域から、どのような回線を使ってどのファイルにアクセスしたのかWebで分かる仕組み(Access log)もあります。このこともマーケティングに応用できると思います。私もHPの仕組みに一部活用しています。
また、書店に行き、このテーマでは他の著者はどのような本を書いているのか、他社は、どのくらいの頁数でどのくらいの価格で販売しているのかなど意識しながら、関連書籍に目を通すこともあります。
私は編集長見習いというより、経営者見習いの視点でこの原稿に目を通しています。出版活動において市場の動向を知る活動をする中で、より適切な判断ができるようになるのではと期待をしつつ原稿に目を通している最中です。
創風社では他にマーケティング関係では鈴木裕久著『マス・コミュニケーションの調査研究法』を発行しています。鈴木氏は故稲葉氏が創風社に紹介した先生ですが、この本も時間を見つけて精読したいと思い、家に持って帰ることにしました。