SDR(選択的脊髄後根切断術)とITB(バックローフェン)と
BTX(ボトックス療法)は日本全国に広がりつつある。
――「脳性麻痺の痙縮治療戦略」の研究会(2019.7.3)が開かれる
(沖縄の金城健先生の報告)
(文・千田顕史)

 沖縄には5ヵ所の医療センターで脳性麻痺児を受け入れている。手術は県立南部こども医療センターの金城先生のチームが県全体の手術を行い、術後はそれぞれの地域の療育センターにもどる。そして毎月、県全体の多職種の医療関係者が集まり、合同カンファレンスをしている。

これまでの手術例
 SDR(選択的後根切断術) 194例
 ボトックス(BoNT-A) 183例
 ITB(バックローフェン) 43例

 SDRには排尿障害が出るリスクが、訓練中心の医療関係者から指摘されていたが、194例すべてにそういう障害はなかったそうです。ITBは重度の子どもの治療として行い、全員親からやってよかったという声がよせられている。SDRは2才を過ぎたら検討し、7歳ぐらいまでが手術適応で、第1選択として考えられるようでした。この研究会には、整形外科医が中心で、順天堂大学の整形外科出身の方が多く、沖縄の金城先生と日常的交流があるようでした。
東京からSDRを50症例以上の手術例をもっているドクターも参加していて、脳性麻痺の痙縮手術はかなり広がってきていると思いました。