稲葉三千男著(東大名誉教授、元東久留米市長)

マスコミの総合理論

A5判上製472頁 4800円 

本の注文,質問

第一部 コミュニケーション論
 I コミュニケーションの理論 
 II メディウムとミッテルと
 III 中井正一の“媒介”論
 IV ヤスパースにおける“現存在の交わり”
 V ヘーゲルの『精神現象学』とコミュニケーション論
 VI 世界をつなぐということ
  一 コミュニケーションの意思
  二 人類の新たな危機意識を
 VII コミュニケーション意識の変遷
 VIII コミュニティ・コムニタス・コミュニケーション
  一 」・ターナーの著作から
  二 コムニタスの概念
  三 ミードのコミュニティ論
  四 コミュニティの存続
第二部 マスコミ論 
 I マルクス主義のマスコミュニケーション論
  一 コミュニケーション
  二 マス・コミュニケーション
 II マス・コミュニケーションと認識論
  一 うけ手からみたコミュニケーション内容の分類
  二 市場的な内容
  三 マス・コミュニケーションの機能障害の原因
  四 現代のマス・コミュニケーションの機能障害がはたす機能
  五 うけ手としての反省
 III  現代認識の方法
  一 コピーの支配
  二 孤立的存在の認識論
  三 社会的存在の認識論
 IV マス・コミュニケーションの伝達過程
  一 対象と視角
  二 過去の研究の紹介
  三 伝達過程についての現状分析のためのスケッチ
 V マス・コミュニケーションの生産過程
 VI 組織悪としてのマス・コミュニケーション
  一 社会有機体説の意義
  二 マスコミ神経系の構造と機能
  三 強権にたいして強烈な自己主張を
  四 マスコミの戦略−−大衆に眠りを
  五 閉塞状況の打開をめざして
第三部 ジャーナリスト論
 I 現代マス・コミ労働の特質
 II コミュニケーション労働と生産的労働
 III 新聞の労働
  一 新聞労働の原型
  二 日記から新聞へ――新聞労働の協業形態
  三 新聞の労働過程と労働三要素
  四 労働対象の偶然性ほ紙面に何をもたらしたか
  五 記者活動の現実課題 
 IV 新聞記者
  一 記者クラブの閉鎖性
  二 規制する側、される側
  三 権力への協力・非協力
  四 記者の特権への反省
  五 真実を報道する執念
 V 番組における創造生体
  一 芸術創造における個性の析出
  二 創造活動における集団性別
  三 放送制作集団の流動性
  四 第一次集団としての放送の送り手
 VI マス・コミュニケーションの制作過程における主要な矛盾
  一 利潤動機と言論・表現動機との矛盾
  二 組織(集団)と個人

第四部 ジャーナリズム論
 I ニュースの真実性と虚構性
  一 古典的な「真実の報道」観・311
  二 ニュースと社会の価値観との関係
  三 マスコミが報道するもの、しないもの
  四 ニュースの受け手の責任
 II 対立する報道
  一 如是閑の新聞観
  二 ニュースにおける対立構造
  三 事実からニセ事実へ
  四 新聞活動における党派性の衰弱
  五 編集権と報道の側の体質
 III 流  言
  一 事実と流言
  二 関係づけの枠と流言
  三 危機と流言
  四 ひとつの事例――火星からの侵略
  五 むすび――流言をめぐる諸問題
 IV 放送ジャーナリズムの思想
  一 思考の社会への譲渡
  二 志なきがごとき放送
  三 総合統一性をもつジャーナリズム
  四 番組制作の集団化
 V 放送における多数と少数
  一 密室の放送
  二 放送法にいう“自由の構造”
  三 放送局の社会的責任

第五部 広 告 論
 I 広告の本質
  一 ベラスケスの画の分析
  二 “死んでいる自然”と“生きている自然”
  三 広告にたいする反発の心理機構
  四 社会観・人間観とのかかわりあい
  五 新しい哲学の地平を切りひらく
 II 広告についての現象学
  一 欠如態にあるものの自己運動
  二 広告の文明史的起源
  三 ポトラッチの弁証法
  四 二値的思考法を排す
  五 現代の神話としての広告
  六 しうねく焦れる人間の欲求
 III 表現の自由と広告
  一 わたしのコミュニケーション論
  二 広告におけるミュニケーション
  三 広告規制の三段階
  四 広告領域での表現の自由
  五 良識的綱領への検討
  六 表現の自由を求める資格
 IV テレビ・広告・大衆
  一 問題意識
  二 広告と大衆
  三 テレビ広告と大衆
  四 テレビのマジック
 V 電波料理論のコペルニクス的転回
  一 強調される異質性
  二 常識論への疑問
  三 放送は“物的生産”
  四 スポンサーは集金人
  五 複雑な価値とのズレ
 VI 視聴率についての考察
  一 視聴率主義者のばあい
  二 CMコストと販売高
  三 時空被拘束性と放送の特殊性
  四 民放における性格規定
  五 原理的レベルと現実の次元
  六 「供給非弾力的」と「供給弾力的」
  七 ”みせかけ”の必要性
  八 流出しつづける放送

終章 マスコミ研究私史・‥443
あとがき

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参考:
『コミュニケーション発達史』,『コミュニケーションの総合理論』『新版・マス・コミュニケーションの調査研究法』詩集