子どもの絵は「子どもの心」の表現です。子どもたちが自由な自己表現として絵を描くことは,その経験によって子どもの自立心を養い,判断力や自信を育て,創造力を伸ばしていきます。そこには大人たちがすでに忘れてしまった無垢な心,素朴さ,無邪気さ,そして子どもらしさなどのエネルギーが自然に表現されています。子どもの絵から子どもたちの心を感じたとき,私たち大人は子どもたちの心を理解することができるとともに,子どもへの接し方,見方がおのずとかわってくると思います。 
					 現代の子どもたちを取りまく状況は,学力競争原理が社会のすみずみまで支配しているため,乳幼児期からさまざまなスタイルの早期教育が全盛です。そのため,子どもたちが本来持っている自然な心や感情が競争原理にしばられて,ゆがむことも多いのです。現在起こっている青少年犯罪の多くは,その報道を注意深く見聞きしていると,幼児時代から自分と言う個人の「意志」を摩滅させられてしまっていることが解ります。 
					
					第1編 子どもの絵は心 
					  I 子どもの絵は心  
					  II 子どもの絵を通して,子どもの心に近づいてみよう  
					  III 子どもの絵は芸術的なものだ?  
					  IV 子どもとともに伸びる教師   
					 
					第2編 幼児期の絵 
					    ――わが家の小さな原始人―― 
					  I 子どもの絵をよく見よう・感じよう  
					  II 子どもの心はどのように成長するか  
					  III 0〜6歳の子どもの絵  
					 
					第3編 小学生〜中学生期の絵 
					    ――こんな絵を描く子どもが危ない―― 
					  I 中学生はこんな絵を描く  
					  II マンガにあらわれた現実逃避の心  
					  III セックスを描くときの心理  
					  IV 「良い絵」,「良くない絵」の見分け方  
					  V 幼児期の絵にあらわれる親と子の関係    
					  VI 小学生に見る伸びる子どもの絵  
					  VII 絵は子どもの心の鏡  
					  VIII 小学生〜中学生の絵  
					 
					第4編 美術教育用語辞典 新版            
					    (久保貞次郎編 高森 俊補注) 
					
					
					 
					参考:『北川民次美術教育論集』、『子どもの絵は心』、 
					   『久保貞次郎美術教育論集 下』 
					
					
					 
					
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