1930年代に詩人として活躍した小熊秀雄の画集を詩と当時彼が執筆していた美術評論と合わせて刊行!
「そこに小熊秀雄その人がいた。彼の全身の態度がそこに描き出されていた。そう見えたとだけは言っても許されようと思う。ある時期のベン・シャーンのようなものがそこに見られたといってもあるいは許されるかも知れない。確乎として,しかしひょろひょろとしてふるえている線,それは彼における飢え,寒さ,骨髄からの反抗がふるえていたということでもあっただろう」と。(中野重治,本章「あとがき」より)「小熊が画家として到達した世界は,形態描写におけるレアリスムというよりは,作者の強烈な主観によってその形態を内部から突きくずした表現派の世界であるように思われる。画におけるこの到達点と彼の詩の世界とが,どのような内的関連をもっているかは,今後の小熊秀雄を研究してゆく上について,興味のある問題である。」 (壷井 繁治,同上より)
目 次
第1章 サタイア(諷刺)とサルカスム(皮肉)
第2章 池袋と旭川
第3章 ペン画と詩
第4章 画論
『小熊秀雄――絵と詩と画論』出版にあたって
創風社 小熊秀雄関連書籍
『小熊秀雄童話集』46判上製, 208頁, 本体1500円
『小熊秀雄詩集』46判並製, 300頁, 本体2000円
『不思議な国・インドの旅 勇士イリヤ』46判並製, 351頁, 本体2400円
『コドモ新聞社』46判並製, 176頁, 本体1200円
『火打箱・しっかり者の錫の兵隊』46判並製, 176頁, 本体1200円
『コドモ海洋丸』46判並製, 176頁, 本体1200円