編集長見習い日記16

『技術者の起業マニュアル』について 

 私は今、平野真『技術者のための起業マニュアル』の製作編集作業にとりかかっています。平野氏は『小学校環境教育実践試論』の大森氏の知人です。また、早稲田大学の先輩であり、創風社では、哲学の永井氏(『アメリカ知識人論』)、池田氏(『反映と創造』)、経済学の秋元氏(『むつ小川原開発の経済分析』)、櫛田氏(『サービスと労働力の生産』)に続く早大出身の研究者です。
そして、現代美術にもとりくんでいるユニークな研究者です。絵本のイラストも描いていて、個展には
木島始も来てくれたとの話をききました。作品は創風社画廊に載せてあります。

私は大学時代は近代経済学を学びましたが、抽象理論が多く内容を十分に消化できませんでした。しかし、この本は、私が全体に目を通したところ、平野氏のビジネス経験、経営者からの話
などと照らし合わせて理論の理解を深めることができるようになっています。起業するうえで、必要なことに理論がしぼられている実感があります。

創風社は中小企業であり、私自身、DTPオペレーター、Web製作など技術者としての労働にも携わっていて、将来経営者もめざしています。営業、物流、広告、製作、市場調査、内容理解など、 Totalな視点をもって仕事をしていかなくてはなりません。

近年、企業では画一的な労働をする人材から、創造的に自分で仕事を切り開いていける人材を強く求めるような傾向になってきたという話をよく聞きます。
大学発ベンチャーや社内ベンチャーも増えていると聞きます。

この本でまとめられている考え方や基本的な視点など、そのような方たちに、大いに参考になると思います。

そして、私自身創風社に入ってからは、マルクス経済学を中心に経済学の理解を深めてきました。
これからはマルクス経済学、近代経済学相方の理解を深め、編集者としての見識を豊かにしていきたい。そんなことを考えながら、編集、製作作業に取りかかっている最中です。

    

05年10月3日一部修正